ベンチャー企業のバックオフィス業務を劇的に効率化してくれる、ヴェルク株式会社のクラウド型サービス「board」。請求書発行システムとしてはもちろん、豊富な分析機能や案件別管理など、まさに実戦で培われた経営者目線の機能が満載だ。扱いやすく、経営判断にも貢献でき、請求書発行といったバックオフィス業務も効率化できるのは、日々忙しい経営者にとって大変うれしいサービスだといえる。前回に引き続き今回は、「board」の実際の使い勝手を紹介したいと思う。

「borad」の基本的な使い方

まず始めに「board」のユーザー登録をWebページから行う。面倒なことは一切なく、案内に従って必要事項を書き込んでいけば完了する。IDとパスワードが決定したら、さっそくログインしてみよう。

分析機能画面。業務のステータスや売上状況が一目で把握できる

最初に表示されるのはダッシュボードで、ここでは現在の案件や発注の進行状況、売上、諸費用のサマリなどが確認できる。処理が終わっていないものは赤く表示されるので、ステータス管理にも役立てることが可能だ。初回アクセスの場合は自社情報や顧客情報の入力がウィザードによって案内されるが、あとから登録したり修正したりする場合は、メニューバーの「設定」→「基本情報」で自社情報、左メニューの「顧客管理」から顧客登録をそれぞれおこなえばよい。

基本情報と顧客情報ができれば実際に運用していくことができる。流れとしては、引き受ける仕事を「案件」として登録し、見積書を作成するだけ。案件は見積もりの確度別に高、中、低の3種類と受注済、失注のステータスを振り分けることができる。このステータスに合わせて集計することもできるので、経営においては売上見通しを立てるために役立てることができる。

見積もりの項目に関してはテンプレートを作成しておくと便利。テンプレートの作成は、メニューバーの「設定」から「書類テンプレート一覧」をクリック。「新規登録」として作成してもよいし、先に登録されているテンプレートを「編集」してもよい。いずれにしても、この時点で見積もりを作成すると、発注書、納品書、請求書、書類送付状といった一連の書類が自動生成される。

左メニューの「案件登録」で請け負う仕事を案件として処理する

案件が登録されると、「見積書」が作成できるようになる。各項目を手入力していってもよいが、ある程度テンプレート化できるなら機能を存分に活用しよう

上の画像のタブに「発注書・発注請書」「納品書・検収書」「請求書」「書類送付状」があるが、見積書作成の時点でこれらにも同じ項目、金額等が反映されている。この基本的な作業だけでも、「board」が使いやすいツールであることはお分かりいただけるかと思う。業務内容にもよるが、この部分だけでもバックオフィス業務が楽になるという会社も多いはずだ。

毎月の定額請求にも対応

案件によっては一括請求あるいは分割請求といったパターン以外に、保守点検などのように毎月定額の請求が発生するケースもある。その場合は、案件を登録する際に「請求タイミング」の項目で「毎月請求」を選択し、月度ごとの請求日と期間を設定すればよい。見積書の時点で設定した期間を数量として入力し、それぞれ毎月発生する「単価」を決めれるだけだ。見積もりは決められた期間の金額がすべて表示されるが、以降の各請求書には、その月ごとの数量(通常は「1」)と単価が掲載されることになる。

案件を作成する際に「請求タイミング」の項目にある「毎月請求」をチェック

見積書の「数量」を期間数(年間なら12)、「単価」には毎月請求額を入力

すると自動的に月ごとに定額請求分の請求書が作成されるようになる。これで請求漏れとはおさらばだ!

発注する場合はどうする?

自社が請け負いだけでなく、発注するケースも少なくない。例えば案件によっては外部スタッフを要請するといった具合だ。そんなとき「borad」では、左メニューの「発注者管理」および「発注先管理」を利用する(※現在はbeta版)。基本的な流れは先ほどと同じで、発注者を登録して、発注状況を入力すればオーケー。これで支払う金額や支払期日なども同時に「発注一覧」に登録されるので、請求日の確認も非常に楽になる。もちろん、源泉徴収をどうするかといった部分も登録操作に含まれるので、相手が法人か個人かといった取引状況も考慮することが可能だ。

発注がある場合は左メニューの「発注管理」から「発注登録」を行う。登録してある案件と紐付いている場合は、「関連案件」から案件を検索して登録しておこう

登録された発注は「発注一覧」に表示される

「発注管理」にある「源泉徴収一覧」を確認すれば、自社が支払う源泉徴収が確認できる。これでうっかり忘れがちな源泉徴収の支払い漏れもなくなるはず!

印刷する必要があるんだけど?

「board」で作成される書類は当然印刷もできる。書類はA、B、Cのデザインから選ぶことができ、メインカラーを変更することも可能。好みのスタイルで印刷できるのは、うれしい仕様だ。また、見積書や請求書は社印が必要となるが、メニューバーの「設定」から「基本情報」を選び「社印」の項目でPNG形式のデジタル印を登録しておくことができる。

さらに、新機能として「捺印権限」が追加されており、ユーザーは「管理者」または「責任者」に捺印を依頼することが可能となっている。月末になって、部下から慌てて捺印を迫られることを少なくできるので、ぜひ使いこなしていただきたい機能だ。

書類デザインA

書類デザインB

書類デザインC

印刷デザインは「書類編集」のタブ画面にある「書類デザイン設定」から選ぶことができる。社印は「基本情報」の「社印」でPNG画像として登録可能

書類はあらゆる場面で「印刷ボタン」を押すことで印刷可能だが、「案件一覧」の印刷ボタンを押すと、すべての書類が印刷可能となる

「board」を利用するユーザーは、「責任者」「管理者」に対して捺印申請をすることができる。スムーズな書類発行ができるようになるので、ぜひ使いこなしてほしい

経営者のための機能「売上分析」

「board」のイチオシ機能ともいえるのが「売上分析」だ。経営者の経営判断をサポートしてくれる機能で、平均支出金額を事前に登録しておけば、おおまかなキャッシュフローも見ることができるすぐれものだ。「売上分析」「顧客別集計」「案件区分別集計」「タグ別集計」と、売上管理の中でも経営者として見ておきたい項目が揃っている印象だ。もちろん、これらはグラフ化された状態で表示できるため、数字が得意でない経営者の方でも経営状態を視覚で捉えられる。すばやく的確な判断をするための強い味方となってくれるはずなので、この機能はぜひ活用していただきたい。

売上分析では、売上額の推移だけではなく見積もりの見込み度による結果の違いなども確認できる。営業成績を見る上で大変役立つ情報だ

文字通り、自社の売上を特定のクライアントがどの程度の割合で締めているかが確認できる

案件登録の際、「集計用項目」にある「案件区分」を設定しておくと得られる情報となる。自社の業務体系の中でも得意不得意パーセンテージで見て取れる

まだまだ進化を続ける「board」

誌面の都合で「board」の機能紹介はここまでとなる。紹介しきれなかった機能や、もっと踏みこんだ情報が必要なら、親切に教えてくれるはずなので、ぜひヴェルクへ相談してほしい。筆者も初めて使わせていただいたのだが、どの機能もマニュアル不要で使うことができた。会計システムの多くがマニュアル必須のUIなのに対し、やはり実務経験から生まれたサービスは違うという印象を与えてくれた。

バックオフィス業務の効率を最大限にしてくれる「board」は、ベンチャー企業にとって非常に強い味方になってくれるはず。毎月末の請求や支払い処理に苦労している経営者はもちろん、現状の請求書発行システムなどに不満のある方はぜひ一度試していただきたい。

ヴェルク株式会社

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