シャープは、業界で初めてMEMS-IGZOディスプレイを搭載した7.0型Androidタブレット端末を開発。2015年上半期から法人市場を中心に発売すると発表した。発表に合わせて10月6日に、CEATEC JAPN 2014の会場となる千葉県の幕張メッセで発表会を開催した。
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シャープ、低消費電力のMEMS-IGZOディスプレイ搭載タブレットを2015年発売(2014年10月6日)
米Qualcomm(クアルコム)の子会社であるPixtronixとの共同開発により実用化したMEMS-IGZOディスプレイは、PixtronixのMEMSディスプレイ技術と、シャープが持つIGZO技術との融合により、一般的な液晶ディスプレイに比べ一層の低消費電力化と高い色再現性を実現したのが特徴だ。液晶ディスプレイではバックライトの透過量がわずかであるのに対して、MEMS-IGZOディスプレイではカラーフィルターや偏光板を使用しないため、バックライトを高効率で利用でき、2~3倍の光学効率を実現している。
また、外光下でも鮮明に表示できる高輝度モードや、省電力で表示するグレースケール/白黒モードなど、利用シーンやコンテンツに応じて最適な表示モードに切り替えることができるのも特徴だ。
シャープ 通信システム事業本部マーケティングセンター法人ビジネス推進部・笛田進吾部長は、「最大の特徴は、使用シーンとコンテンツに合わせて、最適な表示モードに切り替えられること」と強調する。笛田部長によれば「液晶では単純な輝度の強弱でしかコントロールできないが、MEMSではシャッターの駆動スピードをコントロールし、鮮やかな色を表示したい場合の高色再現モード、外光下における視認性に優れた高輝度モード、超消費電力での駆動が可能なグレースケール/白黒モードに切り替えることができる」という。加えて、笛田部長は「明るさ、省電力、鮮やかさという3つの要素は本来、トレードオフの関係にあるが、表示モードを切り替えることでまったく特性の異なる端末になり、3つの要素をカバーできる」と補足する。表示モードの設定はワンタッチで行えるようになっている。
7.0型ディスプレイはWXGA(1,280×800ドット)の表示性能を持ち、OSにはAndroid 4.4を採用。CPUには、Qualcomm SnapdragonTM 800モバイルプロセッサーを搭載。フロントとリアにそれぞれカメラを内蔵している。