日常生活の中で「証明写真」が必要になるケースは意外と多い。運転免許証、パスポート(旅券)、アルバイト先に提出する履歴書、資格試験の受験票、各種証明書など例を挙げればきりがない。ところで、写真が必要になるたびに写真スタジオで撮影したり、街角にある「スピード写真」を利用しなければならないのはとても不便だ。「もっと気軽に簡単に証明写真が撮影できたら」などと思っている人も少なくないだろう。
そんな思いに応えてくれるスマートフォンのアプリがある。キヤノンが提供する「スマホで証明写真」がそれだ。現在、Google Play上で販売されている。価格は100円だ。実際に使い勝手を試してみたので、本稿で紹介していこう。
スマホで証明写真とは?
スマホで証明写真は、スマートフォンに保存されている写真からL判サイズの証明写真データ(JPEGファイル)を作成できるアプリ。スマホから直接プリントできるアプリ「PIXUS Print」(無料)と組み合わせて使えば、家庭に居ながらにして簡単に証明写真が印刷できる。
証明写真に利用する写真は、スマホ内の写真を使うことも、新たにスマホのカメラで撮影することも可能。もっともメーカーとしては画素数の低いスマホのインカメラで撮影するよりは、デジカメで撮影した写真の利用を推奨しているようだ。では、実際の利用画面と合わせて使い勝手を紹介していこう。
スマホで証明写真を起動させると、「証明写真を新規作成」「保存データから再プリント」「使いかた」などの選択画面になる。証明写真を新規作成する場合、はじめに証明写真のサイズを指定する。30mm×24mm 運転免許証サイズ、40mm×30mm 履歴書サイズ、45mm×30mm パスポートサイズが用意されているほか、20mm×20mm~70mm×55mmの範囲でカスタマイズすることも可能だ。上記指定サイズに応じて、L判写真用紙1枚に2~8カットの写真がレイアウトされる。
次に写真を用意する。既述の通り、スマホ内の写真を使うことも、新たにスマホのカメラで撮影することも可能だ。ひとりで撮影する場合は、スマホのインカメラやタイマー撮影機能などを利用しよう。家族や友人に撮影してもらう、というのももちろんアリだ。なお、撮影した写真は顔認識機能により自動調整される。
続いて、プリントイメージの調整を行う。ここでは「補正なし」「明るく」「より明るく」「暗く」の4種類から写真の明るさを選べる。補正なしが2枚、より明るくが3枚……といった具合にカットごとに補正のバランスを変えることも可能だ。
最後に出力するプリンタを選択する。プリントアプリPIXUS Printをインストールしている場合は自動的にこちらのアプリが立ち上がる。アプリ間でシームレスに連携できるので、操作に戸惑うことはないだろう。プリント用紙には、キヤノン純正の「L判サイズ 写真用紙 光沢ゴールド」を使用する。作成した証明写真データは保存されるので、次回以降はワンタップで再プリントが可能だ。操作に慣れれば、撮影開始から証明写真の印刷まで10分もかからない。
現在、スマホで証明写真はAndroid向けに提供されており、Google Playからダウンロードできる。Android 4.0以上、Android 4.4以下のスマートフォン/タブレットで利用可能だ。詳細は同アプリのWebページで確認できる(2014年7月現在)。
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本稿で紹介した通り、とても簡単に証明写真をプリントすることができた。アプリのUIはシンプルで使いやすく、スマートフォンとプリンタとの連携、アプリ同士の連携も非常にスムーズに行えた。機械に詳しくない女性にも、簡単に扱えるこのユーザビリティの高さだ。
プリントされた写真は、あくまで筆者の主観だが、スピード写真並みに高い品質だった。スピード写真を利用すると400円~800円程度かかるが、インクジェットプリンター利用時のコストは1枚15円ほど。もっとも用紙(100枚入り)には800円ほどかかったが、ランニングコストを考えれば安上がりなのは言うまでもない。スマホで証明写真では、納得のいくまで撮り直しができる点も大きなメリットだ。キヤノンの数多くのプリンタがこのアプリに対応しているので、気になった方はぜひ挑戦してみてほしい。