日本エイサー、Chromebook C720の個人提供は「未定だが準備はできてる」 - C720発表会

日本エイサーは23日、企業・教育機関向けの「Chromebook C720」の記者発表会を開催した。「Chromebook C720」は16日に発表済みで、会場では同製品の実機も展示。同社代表取締役社長のボブ・セン氏やプロダクトマネージャーの西山隆康氏が、Chromebookの製品展開や、特徴を紹介した。

法人向けに販売、想定価格は40,000円程度

「Chromebook C720」は11.6型のChrome OS搭載PC。16日より特約販売店を通じて企業・教育機関向けに販売開始しており、価格はオープン。想定価格は40,000円程度となる。

Chromebook展開の説明に先立ち、ボブ・セン氏はまずPC市場での同社の近況を説明した。

台湾に本社を置くエイサーは、2013年7-9月期の最終損益が約440億円の赤字となり、CEOが引責する事態となった。氏は「去年は赤字転落で心配をかけたが」と前置きした後、「2014年第1四半期全体の売り上げは2,500億で、微小ながら黒字転換した」と、2014年は順調な滑り出しとした。

本題のChromebookについては、同社のスタンスを「ヒューマン(人)」「クリシャス(好奇心)」「プログレッシブ(進化)」の3点とし、今回発表した「Chromebook C720」もその3つの要素を備えていると紹介。

Chromebookの国内提供は、同社のほか、デルや東芝、ASUS、日本ヒューレットパッカードといったメーカーが名乗りを上げている。その中で同社は2012年という初期からChromebook「Acer C7」を米国で展開しており、「早くからChromebookを市場に投入していることが強み。今回もChromebookを日本でいちはやく紹介したかった」と語った。

「そうとう出来のいいマシン」 - 導入事例も紹介

「Chromebook C720」のスペックや機能については、プロダクトマネージャーの西山隆康氏が解説し、都内の高等学校での導入事例も紹介された。

西山氏は「Chromebook C720」の特徴を、7秒での起動や体感速度の速さ、セキュリティの高さ、約8.5時間の長時間駆動などとし、「そうとう出来のいいマシン」と自信をみせる。

高速起動については、PCのファームウェアを簡素化することで起動プロセスをWindowsなどの半分以下とすることで可能とした。また、セキュリティでは、サンドボックス構造の採用やログインユーザーごとの暗号キー生成(TPMチップ搭載)、起動ごとにシステムチェックを行うセキュアブート機能などを搭載し、高いセキュリティ性能を持つとする。

本体の主な仕様は、CPUがIntel Celeron 2955U(1.4GHz)、メモリが4GB、ストレージが16GB SSD、グラフィックスがIntel HD Graphics(CPU内蔵)、光学ドライブが非搭載、OSがChrome OSなど。液晶は11.6型ワイドで解像度は1,366×768ドット。

ベースモデルと思われる海外モデル「C720 Chromebook」では32GBストレージや2GBメモリのモデルも用意するが、国内では上記仕様のみの展開となる。

導入事例としては、東京都にある中高一貫の私立高等学校「広尾学園」での事例を紹介。高校1年生の1クラス(35台+教員用)の導入となり、2013年から開始していたトライアルでは、Appsで予定表の購入、レポート提出、学級委員の選出などに活用された。

チャットやメールによる生徒・教師間のコミュニケーションの緊密化や、Googleが法人向けに提供する管理コンソールによる端末の一元管理がメリットという。特に端末の管理では、例えば1学年250人いたとして、従来なら端末を設定・管理するのにITに強い教員が2人で3日間かけて行っていたところ、Chromebookでは5分で行えるとした。

Chromebook C720のコンシューマ向け提供は未定。しかしボブ・セン氏は「個人向け提供の準備は整っている」とコメントし、「できるだけ早く投入したい」と販売への意欲を語った。