ダイハツ工業がこのほど発表した新型軽オープンスポーツカー「コペン」。スポーティなルックスの「コペン ローブ」と、クロスオーバー風なテイストの「コペン X(クロス)モデル」がラインナップされ、来年には旧型モデルをほうふつとさせる丸目の「第3のデザイン」も登場予定だという。

2種類のスタイルを持つ新型軽スポーツカー「コペン」

軽オープンスポーツカーならではの特徴も

新型「コペン」は、ダイハツのラインナップの中でも特殊な位置づけのモデルであることをうかがわせる仕様となっている。「スポーツカー」という位置づけを裏づけるように、オープンモデルの難点である剛性を新骨格構造「D-Frame」の採用で確保している。

サスペンションやパワートレインも専用チューニングを行い、操縦安定性と乗り心地を向上させた。トランスミッションは5MTとCVTが用意されており、エンジンはいずれもターボ付き。現在、ダイハツの乗用車でMTが設定されているのは「ミラ」と「コペン」くらい。このあたりはスポーツカーとしての面目躍如といったところか。

「コペン ローブ」は旧型に比べスポーティなデザインに様変わりした

5MT、CVTとも660ccの直3ターボエンジンを搭載。最高出力は47kW、最大トルクは92Nmに達する

外板や燃料タンクに樹脂を使用することで軽量化も施されており、車両重量は850kgに抑えられている。空力性能も高められており、とくに高速直進安定性が向上している点は、遠出する際にうれしいポイントだ。

興味深いのが、内外装の着脱構造「DRESS-FORMATION」。これは外板を13個の樹脂パーツで構成することによって交換が可能になっており、「スマートフォンのケースを替える感覚」でカスタマイズを楽しめるという。内装も同様に、パネルの一部を変更できる。かつて、「ネイキッド」でもバンパーを交換できたという実績があるだけに、ダイハツの「十八番」ともいえる手法だ。

もっとも、新車購入時ならともかく、購入後に外観を変更したいという需要がどれほどあるかは未知数だ。ちなみに購入後、「ローブ」から「Xモデル」へ外観に変更すること(またはその逆)は、ドアの形状が異なるため不可。ただし、「ローブ」と来年発売予定の「第3のデザイン」については、互換性があるようだ。

「DRESS-FORMATION」によって交換できるのは、ボンネットフードやフロント / リヤバンパーなど11の部品

内装色は標準がブラウンだが、オプションのブラックインテリアパックのほか、インパネの一部を交換可能とのこと

旧型から続く「コペン」の象徴である樹脂製の電動ハードトップは、約20秒で開閉が可能。オープン走行時は極端に狭くなるものの、クローズ時はゴルフバッグ1個分くらいなら入りそうなスペースが確保されている。

装備面では、16インチのスポーツタイヤや、ヘッドレスト一体型のスポーツシート、VSC(横滑り防止装置)&TRC(トラクションコントロール)などの安全装備を標準装備。冬場でも快適にオープン走行が楽しめるシートヒーターも、運転席・助手席に搭載された。

ルーフの開閉はワンタッチ操作。オープン走行時はルーフが収納されるため、トランクは狭くなる

オプションのブラックインテリアパックを装着したブラックシート。「コペン ローブ」は専用の16インチアルミホイールを装着する

6月19日に発売された「コペン ローブ」は、車両本体価格179万8,200~183万600円(税込)。CVT車より5MT車の方が価格が高いため、注意が必要だ。主要オプションとして、ブラックインテリアパック(3万2,400円)、純正ナビ・オーディオ装着用アップグレードパック(1万6,200円)などを設定している。「コペン Xモデル」は今秋発売予定だ。