説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneが固定電話の子機になるってホント?」という質問に答えます。
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NTT東西が提供している「ひかり電話」などIPネットワークを利用する固定電話は、iPhoneを子機として利用できます。ただし、子機との通信に利用されるプロトコル「SIP(Session Initiation Protocol)」をiOSは標準サポートしませんから、SIP対応が明記されたIP電話アプリを用意しなければなりません。
ひかり電話の場合、SIP(Session Initiation Protocol)に対応したルータが貸与されますから、iPhoneにSIP対応のアプリをインストールすれば下準備は完了です。アプリはサードパーティーからいくつか提供されていますが、NTT東西のWEBサイトでセットアップ方法(NTT東日本、NTT西日本)が紹介されている「AGEphone」が導入は容易でしょう。
SIP対応のIP電話アプリは、完全にひかり電話の子機として動作します。AGEphoneの場合、固定電話番号を利用した発信/着信両方に対応することはもちろん、iPhoneのモバイル回線を優先する番号を登録することもできます。バッググラウンド着信機能を有効にしておけば、バッテリー消費量は増えるものの、iPhoneがロック状態のときでも着信を知らせることが可能です。
なお、iPhoneは自宅のWi-Fi経由でひかり電話ルータに接続しますから、原則として外に持ち出すことはできません。VPN経由で自宅LANに接続する方法もありますが、多少音声の遅延が発生します。家でも外でも使える固定電話子機になるとはいうものの、音声品質とバッググラウンド着信機能有効時のバッテリー消費量を考慮すれば、自宅専用と考えたほうがいいでしょう。