説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iOSのアップデータが268MBなのに、なぜ2.5GBも空き容量が必要なの?」という質問に答えます。

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iOSのバージョンアップに必要なファイル一式は、「システムアップデータ」または単に「アップデータ」と呼ばれ、パソコン(iTunes)でダウンロードしたあとiPhoneに転送するか、直接iPhoneでダウンロードを行います(Over The Air方式)。iOS 5以降、パソコンに頼らずiPhoneを管理するユーザが増えましたから、iOS 7のバージョンアップもOTAで進められるケースが多そうです。

OTAでiOSをバージョンアップする場合、システムアップデータを保存する領域にくわえて一時作業用の領域が必要です。アップデータには多数のファイルが収録されていますが、単一のファイルとなるよう書庫化され、さらにダウンロードサイズが小さくなるようデータ圧縮されていますから、それをインストール可能な状態に戻す作業(書庫の展開)を行うためです。

iOS 7.1を例にすると、システムアップデータのサイズは約268メガバイトとそれほど大きくはありませんが、一時作業用の領域として2.5ギガバイト(2500メガバイト)以上の空き容量が必要になります。空き容量が2.5ギガバイト未満の場合は、アップデートを進めようとしてもシステムチェックにはねられてしまい、先へ進むことができません。あらかじめ不要なアプリを削除するなり、カメラロールを整理するなりして空き容量を確保しておきましょう。

システムアップデータは書庫化されているため、展開用にそれ自体のファイルサイズを大きく超える空き容量が必要です。だからiOS 7.1の場合、空き容量が2.5GB以上なければアップデートできません