iOSには、複数のアプリを同時に起動しておくための機構として「マルチタスキング」が用意されている。iOS自体は、開発の出発点となったOS Xと同様にマルチタスク/マルチスレッドのOSだが、バッテリー消費量を減らすという大命題のためには、すべてのアプリでマルチタスクを実現することが難しい。マルチタスキングが一部のアプリに限定されている背景には、そのような事情があるのだ。

iOS 7では、マルチタスキングの仕様が一部変更された。開発方針次第だが、アプリがバックグラウンド状態でも内容を更新できるようになったのだ。更新のタイミングは定期的、またはプッシュ通知をきっかけとした不定期なものに設定できるため、アプリの性格に応じた方法を選べる。閉じてから時間が経過したアプリを開いたとき、内容が更新されていることがあるのは、新しいマルチタスキングの仕様のためだ。

だから、使い終えたアプリの完全終了はそれほど気にする必要はない(バッテリーの大幅な節約にはならない)が、一部のアプリがバックグラウンドで動作し続ける仕様はiOS 6以前と変わらない。だから、地図機能やIP電話としての機能を提供するアプリは、必要なくなれば完全終了したほうがバッテリーの節約になる。

そのとき、複数のアプリを完全終了するのであれば、ひと工夫してみよう。iOS 7でアプリの完全終了を行う場合は、ホームボタンをダブルクリックしてタスクメニューを表示し、完全終了させたいアプリを上方向へスワイプするが、そのとき指2本で2つのアプリをスワイプしてみよう。2つのアプリを同時に完全終了できるはずだ。同じ方法で3つのアプリを完全終了することも可能なので、急いでいるときに試してほしい。

1 iOS 7では、ホームボタンをダブルクリックすると現れる「タスクメニュー」で、アプリの画面を上方向へスワイプするとアプリを完全終了できる

2 2つのアプリを同時に上方向へスワイプすると、2つ同時に完全終了できる

3 3つのアプリまで同時に完全終了することが可能だ

(提供:iPad iPhone Wire)