コピーライター、エッセイスト、作詞家でもある糸井重里さんが1998年に立ち上げたWebサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」(通称:ほぼ日)からうまれたダイアリー「ほぼ日手帳」が、今年で発売から13年目を迎えた。
ほぼ日手帳は、仕事専用のビジネス手帳でも、プライベートをつづる日記でもない自由度の高い手帳。今は複数のタイプの手帳が発売されているが、基本(オリジナル)は1日あたり1ページのスペースが設けられた紙の手帳にカバーをかけて使う。カバーのデザインは毎年新たなものがリリースされていて、クリエイターとのコラボレーションも多く行われている。
今回は「ほぼ日手帳2014」の発売にあたり、この手帳に関わるクリエイターのことや、糸井さんがシャープペンシルでメモを取る理由、そしてクリエイターに役立つメモの取り方など、クリエイションの"過程"にまつわるエピソードをうかがった。
糸井重里 |
――「ほぼ日手帳」は毎年あたらしいカバーをリリースされていますが、今年のラインナップには岡本太郎さんやひびのこづえさんなど、クリエイター色が強いように思えます。こういったコラボカバーの実現の経緯について教えてください。
僕の場合、まず人ありきなんですね。その人のことが好きになってから、ああ、この人に作品をぜひ作ってもらいたいなって考えます。そういった流れで「ほぼ日手帳」の話をすると、幸いなことにみなさん「(ほぼ日手帳のデザインを)やってみたかった!」っていってくださるんです。
こづえさんのくまの形をしたカバーも、「ああいうものを作ってください」と言ったわけではなくて、結果としてこのデザインになって、そして僕も気に入ったんです。だからあとは(カバーの売れ行きなどについて)腹をくくる、みたいな感じですね。
――今回のほぼ日手帳の中で、特にお気に入りのデザインはありますか。
どれも素敵だけれど、荒井良二さんのカバー「いつでも話を聞きますよとロバが言います。」は圧巻でした。お客さんにすごく伝わりやすかったんだろうな。ぱっと目を引いて、あっというまに売り切れちゃったものね。
――デザインといえば、「ほぼ日手帳2009」からは、方眼のサイズの見直しなど、佐藤卓さんによる全体のリニューアルが行われました。リニューアル以前と以後では、やはり何か変わったところはありますか?
はい、(佐藤)卓さんのリニューアルからはさらに整理もしやすくなり、土台から使いやすくなったと思います。土台がよくなったので、さっきお話したようなコラボレーションのような冒険もやりやすくなりました。