説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneの充電率が100%を超えたあとも電流は流れている?」という質問に答えます。

***

リチウムイオンバッテリーを搭載する電子機器の多くには、過充電防止回路が搭載されています。iPhoneにも搭載されているので、満充電(100%)到達後もケーブルを接続したまま放置しても、長時間放置しないかぎりバッテリーを劣化させる原因とはなりません。

iPhoneの充電率が100%を超えたあとも電流は流れているかという質問ですが、答えは「Yes」です。しかし、充電率が80%に近づいたあたりから電流は減少しはじめ、満充電直前にはごくわずかになります。iPhoneは満充電後、わずかに放電しその後充電というプロセスを繰り返すので、過充電になりにくくなっています。ただしゼロにはならないので、やはり接続したまま長時間放置することは禁物です。

検証には「USB Power Meter(CT-USB-PW)」というUSBメモリ型の測定機器を利用しました。パソコン(Mac mini)USBポートに挿しこみ、反対側にLightningケーブル経由でiPhone 5を接続、満充電までとその後の電流の変化を調べました。

充電開始からしばらくの間、電流はおおむね0.9A前後で推移しましたが、充電率80%に近づいたあたりから低下しはじめ、充電率90%では0.5A前後、95%では0.4A前後にまで低下し、99%では0.2Aとなりました(いずれもiPhone 5はスリープ状態)。iPhone 5の電源をオフにして30分経過したたあとも0.2A前後の電流を測定できたので、電気的に接続された状態にあることは確かです。やはり、満充電後はすみやかにケーブルを外したほうが、バッテリーの早期劣化防止にはプラスだといえます。

写真で解説

バッテリー100%のiPhone 5を電源オフにしてケーブルをつないだままにしたところ、USBケーブルから0.2A前後の電流が流れ続けていることがわかりました