部下に任せた資料の作成、いよいよ明日が締め切りという夕方――「あと1日待ってください」とメールが……。といったことが頻繁にあるのであれば、ちゃんとした対策を考えるべきときかもしれない。先延ばしはクセになるし、納期や締め切りを守るというのもクセだ。ではどうすればよいのだろうか?

Inc.comの記事「締め切りの先延ばしを許してはいけない理由(原題 : Why You Should Never Extend Deadlines)」が参考になりそうだ。

まずは、一度設定した締め切りや期日をなぜ延期すべきではないのか、その理由を考えてみよう。

記事によると、期日が設定されると、従業員は目標達成に向けて必死になるという。だが目標が一度延期されると緊張感がなくなり、集中力や注意力が分散する。先延ばしにするということが、まだチャンスはあるという余裕を生んでしまう。中だるみすると、かえって結果が悪くなった経験が一度や二度……という人も多いことだろう。

もう一つの問題として、あるタスクの延期が他のスケジュールにも影響を与えるということだ。延期する人ほど、どれぐらい時間がかかるのかを少なく見積もる傾向がある。1つのタスクが長引くことにより時間管理がさらに困難になり、結果としてスケジュール全体が狂っていくことになる。現実的な再スケジュールなしに1つのタスクを延期することは、禁物といえそうだ。

このようなことから、時間をかけたほうが成果に良い影響がでるというタスクやプロジェクトではない限り、最初の目標を厳守する方がよいという。

では、目標を守るクセを付けるにはどうすればよいのか。

まず、目標そのものを見直してみよう。達成が難しい目標設定はすべきではない。具体的には、壮大な目標を1つ掲げるのではなく、もっと細分化してそこに至るマイルストーンを細かく目標設定していくとよい。納期までにあまりにも時間がありすぎるとスタッフの気が緩んでしまうので、目標設定のタイミングも配慮したい。急がなくてもよい目標は、すぐに立てなくてもいいし、スタッフに告げなくてもよいだろう。

記事では、小さなプレッシャーを少しずつ課すことを考えながら、チームメンバーとともに大きな目標を細分化するよう助言している。大きな目標を細分化できない場合は、その目標を固守するようコミュニケーションを図り、良いプレッシャーを維持することが大切だろう。