――では、特撮現場と通常のTVドラマ現場の違いで感じたことはありますか?
まず、ロケバスからして違います(笑) 今回はキャスト側のロケバスを使わせていただきましたが、奥に洗面所やシャワーがついていてとにかく豪華。暑い中の撮影だったので、本当に使うべきはスーツアクターの方なんですけど……。撮影現場には、トランポリンやマットがあったり、ワイヤーアクションで使う見たこともないクレーン車があったり、ケータリングにお菓子探しに行ったら湿布や救急箱が置いてあったり、もう何から何まで違います。
――実際の撮影ではどうでしょう?
ダイゴくん(キョウリュウレッド)が助けに来るシーンで、坂本監督が自ら動いて演技指導していましたが、とにかく足が上がるんですよ(笑) アクション監督とも頻繁に意見交換していましたが、そういう何気ないやりとりでも、お互いにやりたいことを理解し合っているように見えます。まさにツーカーの仲というか。カッコイイものを作ろうとしている監督たち、スタッフ、そういうチームが本当にカッコいいんです。
特撮の撮影は、こちらが追いつけないくらいテキパキと進んでいき、とにかくリズムが早いです。それについていけるアクションの人たちには圧倒されます。エピソードとしては、レムネアちゃん(桃瀬美咲)とアーシーちゃん(佃井皆美)とわたしの三人でロケバス待っていたら、いきなり「バーン!」って音がして「えっ! 雷!」と言ったら、モクモクと赤い煙や青い煙がロケバスが近づいてきて……。
――お決まりの派手な登場シーンの爆発ですね(笑)
そうそう! 演出の仕掛けですが、撮影では爆発シーンがあると聞いていなかったので、「バーン!」が鳴りまくりでびっくりでした。いろいろ普通の現場とは違うことが起こりますよね。
――坂本監督は、制作会見の時に中村さんと桃瀬さんと佃井さんを「美しいゲスト」と話していましたが、監督から演技指導はありましたか?
かつてフランスでダイゴくんと出会っていたという設定があって「お互いの夢を叶えようぜ!」と、誓い合うシーンがありますが、仲の良さを演出するために「ダイゴくんに抱きついてみて!」って坂本監督が言うんです。台本にない演出でしたが、どうやって抱きつこうか考えていたら監督が「僕がダイゴくんの代わりにお手本見せてあげようか、ここにおいで!」って(笑) もちろんそこは「ダイゴくんだけにしておきます!」と答えましたけど(笑)
――台本をお読みになって、「ここはうまく演じられるかな」と不安やプレッシャーを感じたシーンは?
デスリュウジャーに捕まっている時に、祈り歌に気持ちをこめて思いを届けるシーンでしたね。歌うことへの苦手意識なんて言ってる場合じゃない、世界の平和がかかっているんだから! それほどの歌にしなきゃいけないんだ! っていう『キョウリュウジャー』の世界観へのプレッシャーがありました。ただ、そういう切迫した想い、気持ちの揺れ動きや表情を意識できたので、逆にプラスに働いていたのかもしれませんね。
――中村さんが演じた美琴は、ご自身が敵に襲われる絶対絶命の状況でヒーローが助けに来るという、ある意味子供たちの目線に一番近い位置でヒーローの活躍を見ていたと思います。映像としてではなく、自分のために助けに来るという立場はどのような心境でしたか?
もう胸キュンですよ! 女子になりました。「本当に助けに来てくれだんだ!」って。ダイゴくんや『キョウリュウジャー』のメンバーが来てくれた時の「ありがとう!」は本心そのものです。しかも、みんなで手を取り合い、6人がチームワークを発揮して世界の平和を守るために戦う姿をみると、本当に熱くなるものがあります。もう、ほんっとに胸キュンなんです。
――胸キュンと言えば、竜星涼さん演じる桐生ダイゴくんとは、かなり近い立ち位置ですよね? 彼は、無鉄砲で天然な性格でありながらも熱血漢ですが、ダイゴくんのような男性はどうでしょう。
撮影が終わって改めて考えると、ダイゴくんはずるい(笑) 天然な男の子ですね。美琴はダイゴくんのことが大好きで、天真爛漫というか、よく言えば純真無垢だけど悪く言えば無鉄砲。大好きアピールを恥ずかしがらない子なんです。美琴の気持ちがダイゴくんに届くかどうかは見てのお楽しみですが、普段からそういう天然な男の子、鈍感な男の子って女の子は振り回されるんじゃないかって思います。だからずるい(笑)
――中村さんの好きなタイプに当てはまりますか?
私はこまりますね(笑) 美琴を演じる上では楽しかったんですが、鈍感だと。私のタイプは、笑いのツボが合う人で、何かを見ていて同じタイミングで笑える人なら楽しいかなって思います。どちらかというと体育会系というか、熱い男性が好きかもしれませんね。
――ダイゴくんも熱い男ですよ!(笑)
確かにそうかも(笑) 男性だったら熱いものを持って欲しいですし、今回の『キョウリュウジャー』の現場でも、皆さんがとにかく熱かった。特にスーツアクターの方がカッコよくて……胸キュンの連続で、今回の特撮現場では"カッコいい"をいっぱい食べたと思います。……続きを読む