――では、その「特撮」のイメージについてお聞きします。小さい頃にテレビで見ていたり、イメージとして抱いていた外から見た特撮と、実際に演じてみて中から見た特撮に変化はありました?

小さい頃は「ここ! 助けに来るの!? こないの!? どうなっちゃうの!」と作品に入り込んで純粋に楽しんでいました。こうして「特撮」の内側に入ると、もちろん必然的に作り手側の気持ちにはなります。ただ、どのように、どういう過程で子どもの心を鷲掴みにするヒーロー、カッコいいものが作られていくんだろう? という過程に惹かれて、常に目で追っていました。私がアクションの世界を語るのは恐縮なんですが、スタッフさんやスーツアクターの方を見ていると、アクション一筋の方は本当にアクションが好きなオーラがにじみ出ていると思う。そういう方に限って女性に対して紳士なんです。これも胸キュンポイントですね(笑)。

――中村さんはゲスト出演ですが、物語のキーワードである"歌"はもちろん、ご自身が演じる美琴自体が物語の鍵になっています。『キョウリュウジャー』の魅力が凝縮された30分の中で一番の見どころは?

美琴としては冒頭からあるライブシーンです。モニターで見ても、皆さんのペンライトが光って、宇宙空間のように美しいシーンだと思います。それに加えて、美琴の可愛らしさも伝わってればいいなって(笑) 映画全体で言えば、タイトルの「ガブリンチョ・オブ・ミュージック」のとおり「ミュージック」を謳っていて、30分の中で8曲も披露しています。ノッさん(有働ノブハル/キョウリュウブルー)は、『レ・ミゼラブル』を超えたって言ってましたけど(笑) 歌に魂を込めて届けるというのもテーマのひとつで、歌の力、歌の集結力、音楽の力を感じてもらえる映画ですね。映画ならではのアクションはもちろんですが、『キョウリュウジャー』がひとりずつ立ち上がって歌いながら集結していくシーンは、本当にカッコよく仕上がっています。

――これはぜひ聞いてみたかったのですが、特撮やアニメ、漫画で何かお好きな作品はありますか?

小さい頃は『おジャ魔女どれみ』や『美少女戦士セーラームーン』を見ていました。今は『20世紀少年』とか『GANTZ』ですね。父が漫画好きで実家にいっぱいあるので、試しに読んでみたら面白くて一気にハマっちゃって。『ONE PIECE』も全巻読んでいます。『ONE PIECE』の仲間感もいいですが、サバイバル感が私向きみたいですね。

――では、今後挑戦してみたい役柄はどうでしょう?

これ! という役柄に限定するよりは、スポンジのようにいろいろ吸収したい、とにかく挑戦したいというのがまずあります。自分の振り幅を広げ、経験値を増やすことが第一。それと、男装してみたいのもあって……似合うと思うんですよ!(笑)

――(笑) 男装? なぜ男装ですか?

(普通の男性よりも)カッコつけられる、カッコよくできると思うんです。性格もサバサバしている方だと思うし(笑)。女性が男性になりきる、男性を演じるというか……こういうの何て言うんでしたっけ?

――例えば宝塚とか? あるいは執事喫茶的な姿勢、感覚がわかるというか。

そうそう、それですよ! 女性のもてなし方を知っている――もしかしたら、女性のもてなし方は、男性より女性の方が心得ていると思うんです。だから実践してみたい……という欲望が先に走っていますけど、ぜひチャレンジしてみたいことの1つです。もちろんアクションは常にやってみたいと思っています。一度舞台でアクションを経験しましたが本当にハードだったので、もしやらせていただけるならしっかりとトレーニングを積んで臨みたいですね。今回の撮影では、レムネアちゃんやアーシーちゃんを見て、カッコいいなーうらやましいなーって思いました。

――では、今年の下半期で挑戦したいことを教えてください。お仕事でもプライベートでも。

お仕事に関してはいただいたものを全力で頑張っていきます。プライベートは……夏にバーベキューをやってみたいです。バーベキューをやったことがなくて……。お父さんが厳しくて。高卒まで門限があって、卒業したらすぐこっちへ来ましたが、友達はゼロからのスタート。このお仕事をしている友達も生活パターンが違ったり、集まって何かをやる時間がなかなか作れない。たぶん、主催者側に向いてないのもありますけど(笑) やりたい! やりたい! って言ってるんですけど……。

――結局やらないパターンに落ち着くと(笑)

そうなんですよ。それに関連して富士山にのぼりたいとも思いはじめてもう4年です……。富士山にのぼったら人生観が変わるっていうじゃないですか。二十歳から思っているんですけど、もうこれもやらないパターンかな(笑)。だからフットワークは軽くしていこうって。小さなことなんですが、帰宅途中の買い物でリモコンの電池買うの忘れたりとか。そこでさっとすぐに買いに戻れるアグレッシブさがあれば、富士山にも登れると思うんですよ(笑)。

『劇場版 仮面ライダーウィザード イン マジックランド』『劇場版 獣電戦隊キョウリュウジャー ガブリンチョ・オブ・ミュージック』ポスター

――そこから繋がっていると(笑) では最後に、中村さんのファンはもちろんですが、今回の『キョウリュウジャー』を通じて、子どもたちや親御さんなど、中村さんを初めて知る方も多いと思います。ぜひメッセージをお願いします。

まずは『キョウリュウジャー』が大事なので、美琴としてすんなり受け入れてもらいたい、美琴として見てもらいたいです。プライベートでは美琴のような白のフリフリはまず着ないですけど(笑) 美琴のフリフリ具合はとにかくすごいので(笑) そういう部分も含めて普段の私にはない美琴を楽しんで欲しい。そして、"ブレイブ"はキョウリュウジャーに負けないよ! 私もブレイブ持ってるよ! と伝えたいですね。

『劇場版 獣電戦隊キョウリュウジャー ガブリンチョ・オブ・ミュージック』は、『劇場版 仮面ライダーウィザード イン マジックランド』と共に、2本立てで8月3日より全国公開。

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