説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「どうしてイヤフォンを差し替えると音量が変わるの?」という質問に答えます。

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ヘッドフォン/イヤフォンに使用される「3.5mmステレオミニプラグ」には、3つの区分があります(3極端子)。その役割は、手でつまむ部分(プラグ)から先端に向かっていうと、グランド(GND)、右チャンネルの音声、左チャンネルの音声と決められています。

一方、iPhoneに付属のイヤフォンには4つの端子があり(4極端子)、プラグから先端に向かってマイク、グランド、右チャンネルの音声、左チャンネルの音声が割り当てられています。4極端子非対応の機器でマイク部分は機能しませんが、左右の音声チャンネルは同じ端子を利用するため、ステレオイヤフォンとして正常に機能します。

iPhoneでは、3極/4極どちらの端子も利用できます。3極端子のGNDにあたる部分を2分割した構造の4極端子が想定されているため、3極端子を挿すとGNDとマイクの2つがショートしますが、そのような事態を想定してハードウェアが設計されているので問題ありません。なお、iPhoneの場合、マイク端子部分をリモコンに利用しています。

そしてiPhoneは、3極端子と4極端子を挿したときの音量それぞれを記録しています。たとえば、一般的なイヤフォン(3極端子)からiPhone付属のEarPods(4極端子)に挿し替えると、音量は前回EarPodsを利用したときの状態になります。EarPodsから一般的なイヤフォンに挿し替えた場合も同様です。イヤフォンを挿していないときの音量も記憶されていますから、イヤフォンを抜き挿しするだけでで3種類の音量を瞬時に呼び出すことができるというわけです。

ただし、イヤフォンの個体ごとに音量が記録されるわけではありません。あくまでショートの有無で3極端子か4極端子か、あるいはなにも挿されていないかを判断し、そのときの音量を記録しているだけです。だから、同じ端子数のイヤフォンを2つ用意して挿し替えると、音量が変わらないことを確認できますよ。

写真で解説

iPhone 5に付属の「EarPods」など、リモコン付きのイヤフォン/ヘッドフォンのステレオミニプラグ端子は4極になっています

iPhoneは3極/4極端子を識別し、それぞれの音量を記録します。イヤフォンを挿していない状態を含めると、3種類の音量が記録されることになります