ユビキタスエンターテインメントが発売する「enchantMOON」は、アプリケーション開発をメインに手がける同社が、OSからハードウェアまで独自開発したタブレット端末。映画監督の樋口真嗣やイラストレーターの安倍吉俊、哲学者の東浩紀といった各界で活躍する著名人たちが設計段階から参加しているだけあって、一般的なタブレット端末とはかなり異なる物に仕上がっている。

その「手書き」に特化した挑戦的なコンセプトや、従来のタブレット端末とは一線を画した筐体デザインなどがガジェット好きの心をくすぐったのか、予約段階で注文が殺到。その想定以上の注文のために、販売が延期されるまでに至るなど、多くの人の期待を集めている。今回は発売に先駆け、一足先に「enchantMOON」のタッチ&トライを行いながら、同社の「enchantMOON」製品担当者にお話を伺った。

ユビキタスエンターテインメントのオフィスエントランス。宇宙船のコクピットをイメージしたような雰囲気

クリエイターや学者の英知を結集した"未来のガジェット"

冒頭でも述べたが、「enchantMOON」の開発には、著名なクリエイターや学者が密接に関わっている。映画監督の樋口真嗣は、製品のPV制作などいわゆる本業としての部分だけでなく、豊富なガジェットの知識を生かし、この"未来のガジェット"をつくるための開発会議にも参加。また、同機種のシンボルともいえるメカニカルなハンドルは、イラストレーターの安倍吉俊がデザイン。そして、同社の開発チームが抱いていた「手書きで入力するマシンは世の中のためになる」という仮説を哲学者・東浩紀が文化史の視点から見直し、手書きから活版印刷、キーボードと進んできた記録手段が、今こそ手書きに回帰するというストーリー設定を行ったのだという。

次ページでは、「enchantMOON」本体の外観とUIの基本思想を紹介する。