――エピソード3は小出恵介さんと波瑠さんの「ブルーローズ」。このエピソードはそれまでと違ったタッチで描かれています。最後に小出さんが見せる微笑みがとても印象的でした。

青山監督:あのシーンでは小出くんにある指示を出したのですが、そうしたら小出くんから『笑ってもいいですか?』という提案があったんです。あのシーンでは、悲しいからといって泣くことがすべてではない、ということを感じてもらえればと思います。

――そして向井理さん、伊藤歩さんによるエピソード4が「ウェディングベール」です。

青山監督:向井くんは天才肌だと思います。芝居に関するいろいろな手を持っていて、どうするかということをものすごくたくさん用意している、と思うんです。あくまで僕の想像ですが。時間の関係もあってあまりできませんでしたが、こうやったらどうなる、ああやったらどうなる、といった感じでいろいろイジリたくなりました。もちろん、他の役者さん全員そうなんですけど、特に向井くんにはそう感じましたね

――短い期間の撮影でしたが、彼の役者としての限りない可能性を感じたと。

青山監督:僕の中で彼のキャッチフレーズができていて、"日本一、スーツの似合う男"(笑)。こんなにスーツが似合う男優はいないですよ。ビジネスマンに見えないけど、スーツがめちゃくちゃ似合う。ハリウッド黄金時代の役者に限りなく近いですね。男の俺が言うのもなんですけど、ドキッとしました。

――全エピソードに出演されている花屋のオーナー役の伊藤さんはいかがでしたか?

青山監督:このメンバーの中で彼女だけかつて一緒に仕事をしているんですよ。安心して任せられたし、そういう人が一人でもいると気が楽ですね。自身の成長をちゃんと芝居に乗せることができていて、すごく大人になった感じがしました。

――では最後に、監督自身が考える"最上のプロポーズ"とはどんなものでしょうか。

青山監督:ないです。できればしない方がいいんじゃないかな(笑)。ヘンに重く考えて理想なんて持ったらダメですから。それが僕の持論です。いずれそういう時がくるのだろうけど、めぐり合わない限りプロポーズなんてしたらダメですよ。めぐり合いですから、人間はすべて。でも、今回撮影した4本のドラマには『こんなふうに言われたい』『こんなシチュエーションがいい』というふうに自分にフィットしたエピソードがきっとあると思うので、ぜひご覧になってめぐり合ってもらいたいですね(笑)