ソフトバンクモバイルが5月7日に開催した新製品発表会では、今夏以降に提供開始となるスマートフォン向け健康管理サービス「SoftBank HealthCare」が発表された。

活動量計などのデバイスを用いて計測した健康データをクラウド上に蓄積し、健康に関する各種サポートを受けられるサービスで、対応デバイスの第1弾として提供されるのが、米Fitbit社のリストバンド型活動量計「Fitbit Flex」だ。Fitbit Flexは米国でも、6日(現地時間)に発売されたばかりの注目の最新モデル。本稿では、Fitbit Flexの特徴や日米でのサービスの違いについて見ていこう。

ソフトバンクモバイルの新サービス「SoftBank HealthCare」で提供される「Fitbit Flex」

アメリカで発売された「Fitbit Flex」とは?

Fitbit Flexは、米Fitbit社が提供する活動量計の最新モデルで、形状がリストバンド型となっているのが特徴。従来モデルの「Fitbit One」や「Fitbit Zip」は、ベルトやポケットなどに装着するタイプとなっていたが、Fitbit Flexはリストバンド型であるため、取り外しをせずにつねに着用して、歩数や消費カロリー、睡眠時間などを計測できる。また、防水仕様であるためシャワー中でも身に着けていられる。

Fitbit Flexで計測できるデータは、歩数、移動距離、消費カロリー、睡眠時間の4種類。計測したデータはBluetooth通信でスマートフォンに送信でき、iPhone、Android向けの専用アプリ「Fitbit」で確認し、クラウドに蓄積することが可能。なお、米国版のFitbit Flexでは、スマートフォンとNFC(近距離無線通信)でも通信できるほか、USB型のBluetooth受信機を接続したパソコンでもデータを受信でき、クラウドを経由してパソコンとスマートフォンでデータを同期することができる。

Fitbit Flexの米国での販売価格は、同社のオンラインショップで99.95ドル(約1万円)となっており、アプリやサービスの利用は無料。最初にリストバンドを購入すれば、あとは無料で利用できる仕組みだ。また、年間49.99ドル(約5,000円)のプレミアムサービスに加入することで、フィットネスプランを作成してもらったり、より詳細なデータ分析を受けることが可能。

なお、米国版のFitbitアプリに対応するスマートフォンは、iOS端末ではiPhone 4S以降、iPad(第3世代以降)、iPad miniなど。また、Androidの対応端末は、サムスンのGalaxy S IIIとGalaxy Note IIのみとなっているが、対応端末を順次拡大していく予定となっている。

ソフトバンクが提供する「SoftBank HealthCare」とは?

ソフトバンクモバイルが発表したSoftBank HealthCareでも、対応デバイスとしてFitbit Flexが提供されるが、利用できるアプリやサービスは米国とは異なり、ソフトバンク独自のものが提供される。料金体系も異なっており、サービス利用料金が月額490円かかるが、Fitbit Flex自体は無料で入手可能。ただし、2年以内に解約した場合には、契約解除料7,500円が必要となる。なお、SoftBank HealthCareで入手できるFitbit Flexでは、Fitbitアプリは利用できない。

SoftBank HealthCareについて発表するソフトバンクモバイル・孫正義社長

Fitbit Flex購入の初期費用がかからないものの、月額490円を支払うため、SoftBank HealthCareのほうが若干割高に感じられるが、独自アプリの機能や利用できるサービスが充実しているのが特徴だ。歩数、移動距離、消費カロリー、睡眠時間といった測定データから身体の状態を分析する「ヘルスケアバランス」や、顔写真をもとに未来の顔や体重を予測する「タイムマシン」などの機能を備えているほか、健康やダイエットについて栄養士や医師などの専門家に通話料無料で365日24時間、電話相談できるサービスなどが提供される。Fitbit Flexの米国でのサービスよりも、手厚いサポートが受けられる印象だ。

なお、活動量計などの対応デバイスは、Fitbit Flexのほかにも順次追加されている予定。また、SoftBank HealthCareアプリに対応するスマートフォンは、iPhone 4S、iPhone 5のほか、2013年夏モデルとして発表されたAQUOS PHONE Xx 206SHの3機種となっており、対応端末は順次拡大される予定とっている。

SoftBank HealthCareのアプリでは、身体の状態を分析する独自機能などが搭載される

「タイムマシン」機能では、顔写真や測定データの分析結果から未来の顔を予測できる

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米Jawboneが提供する「Jawbone UP」の国内販売が4月20日に開始されるなど、身に着けて持ち歩くウェアラブル機器に注目が集まっている。本稿で紹介したFitbit FlexやJawbone UPといったリストバンド型デバイス以外にも、Googleが開発を進める眼鏡型デバイス「Google Glass」や、Appleが「iWatch」という腕時計型デバイスを開発中と噂されるなど、今後もさまざまなウェアラブル機器が登場してくると予想される。今回、ソフトバンクモバイルがFitbit Flexを使ったサービスを発表したことは、スマートフォンの"次"を読み解くうえでも、非常に興味深いことだといえるだろう。