Twitterが「いまなにしてる? (What are you doing?)」を140文字で表すことからはじまったマイクロブログサービスということは、周知の通りだ。その後「いまどうしてる?(What's Happening?)」になり、災害時は安全確認の機能を発揮し、広告としても利用されるなど、2006年のスタート当初からは信じられない拡大を見せている。
今回は採用や人材募集での利用について、Wall Street Journalのレポート「履歴書2.0 : 140文字(原題 : The New Résumé: It's 140 Characters)」を紹介したい。
ソーシャルメディアをリクルートや職探しに利用する動きは新しいものではない。だが、Twitterで採用や自己アピールができるのだろうか?
まずは採用する側からみてみよう。
人事サービスCareerrXroadsが米国の大企業37社を対象とした調査によると、現時点で潜在候補者を探すのにTwitterを活用しているという企業はゼロだったが、採用担当は将来的にTwitterの利用を視野に入れていることが分かったと報告している。
メディアや技術といった分野では取り組みが始まっているようだ。たとえば、公共ラジオ局のNPR(National Public Radio)の才能開発・採用担当Lars Schmidt氏は「@NPRJobs」というアカウントを作り、募集中の職種など自社の採用情報を紹介している。その結果、フォローして採用情報を知ったというTwitterユーザー2人を採用することにした。
「すばらしい才能がある人がいつも仕事を探しているとは限らないし、求人サイトなどをチェックしているとも限らない。だがソーシャルメディアで出会える可能性はある」とSchmidt氏は述べている。Twitterを使うメリットは、候補者とのやりとりにあるという。もちろん、Schmidt氏は90%ぐらいの割合でツイートに答えているとのこと。単に求人情報を伝えるだけでなく、フォロワーとのやりとりを通じて感触を探るよう助言している。
@NPRJobsは現在スコープを拡大し、求人だけでなくNPRの社風を伝えたり、メンバー局の開設を伝える場としても利用しているそうだ。キャリアのアドバイスを交換するコミュニティもうまれているという。
求職の例としては、こんな話もある。
仕事を探していた元ラジオジャーナリストのDawn Siff氏は2月、当時はじまったばかりのTwitterの動画サービス「Vine」を利用して自己アピールすることにした。作成したのは6秒の"ビデオ履歴書"――「ジャーナリスト」「戦略家」「マネージャ」などと自分を表現する言葉を、手にする小道具を変えながら5つ叫ぶというものだ。
このビデオ履歴書は口コミで広まり、ついにはTVでも紹介されるまでに。現在Siff氏は大手メディア企業に職を得ている。ビデオ履歴書が直接職につながったわけではないというが、幹部はこの履歴書にいい印象を持ったという。
このようにTwitterが今後、就職活動でも使われる傾向は間違いなさそうだ。