金色の雲のような形をした奇妙な形のオブジェ。あのオブジェはなぜあの形になったのか……

アサヒグループ本社の隣にある『スーパードライホール』の屋上には、雲のような形をした奇妙な形のオブジェがあります。東京に住んでいる皆さん、または浅草観光をした人なら一度は見たことがあるでしょう。さて、この変わった形のオブジェですが、どういった経緯で作られたのでしょうか? また、何でこのデザインになったのでしょうか? アサヒグループホールディングス広報部門の三橋さんに伺いました。



あのオブジェは100周年を記念して作られた

――スーパードライホールの屋上にあるオブジェですが、どういった経緯で建てられたのでしょうか?

スーパードライホール屋上のオブジェは、1989年にアサヒビール創業100周年を記念してスーパードライホールと共に建設されました。

――そうだったんですね! 少し変わったデザインですが、あれは何かモデルになったものがあるんですか?

オブジェのデザインは、フランスのデザイナーのフィリップ・スタルク氏によるものです。スタルク氏はスーパードライホールの設計も担当しました。オブジェは燃え盛る炎をデザインしたもので、「フラムドール」(フランス語で金の炎)と呼ばれております。アサヒビールの燃える心を象徴しています。

――炎をデザインしたものだったのですね。

オブジェが炎、そして下のスーパードライホールが聖火台をイメージして設計されているんです。下が聖火台をイメージしたものであることを知っている人は意外と少ないのかもしれないですね。

――最終的にこのデザインとなった決め手は何だったのでしょうか?

最終的にスタルク氏のこのデザインを採用させていただいたということ以外は、私どもでは分かりかねます。

――元々は今のように横向きではなく、縦向きのデザインだった、という噂話を聞いたことがあるのですが、その真偽の程はどうなのでしょうか?

いえ、そのようなことはなかったと思われます。こちらに記録としては残っていないんですよ。

――オブジェの向きも反対だったということも聞いたことがありますが……。

向きに関しても、当方に記録としては残っていないので、実は分からないんです。

――そうなんですね。真相は当時の担当者しか分からないのかもしれませんね。

デザインのおかげで知名度アップ

――失礼を承知で伺いたいのですが、オブジェを「う○こに似ている」などとマイナスなイメージの例えをされることについては、アサヒビールの社員からするとどう思いますか?

う~ん、それはちょっとお答えしにくいですね(笑)。私どもはオブジェの意味を理解しているので、そんなふうに思ったことはないです。

――内部の人間からするとそうですよね(笑)。でも、マイナスなイメージのものに例えられていますけど、その影響か実際見たことのない人でも存在を知っていたりしますよね。

そういった意味では、存在感のあるオブジェが、アサヒを知っていただくきっかけの一つになっているのかもしれません。

――ありがとうございました。

あの変わった形のオブジェは「炎」をかたどったデザインとのことでした。筆者は「金色の雲かな?」と思っていましたが、これもハズレ。皆さんは炎だと知っていましたか?

(貫井康徳@dcp)