Surface RTを個人的に購入してみた
以前、寄稿したレポート記事で宣言したとおり、日本マイクロソフトの「Surface RT」を購入した。
筆者はタブレット型コンピュータとしてiPad(第3世代)とNexsus 7、ノート型コンピューターとしてThinkPad X201s、後は自作のデスクトップ型コンピューターを併用。執筆作業は主にデスクトップ型コンピューターを使用し、ThinkPad X201sはアプリケーションの検証や画面撮影に使用し、各タブレット型コンピューターはオフタイムにWebやミニブログの閲覧にしか使用していない。
加えて筆者はあまりアクティブな性格ではないため、外出する機会は仕事の打ち合わせや発表会の取材程度。会社や会場ではメモ帳に手書きでコメントを残していたが、最近は書き損じも増えてきたため、簡単な入力デバイスが必要になってきた。もちろんThinkPadを持参すれば普段と変わらない執筆環境が手に入るのは自明の理だが、本体重量の約1.23kgに加えてACアダプタもしくは予備のバッテリパックを持ち歩くのは(個人的に)現実的ではない。
iPadは652gと軽量だがBluetoothキーボードを一緒に持ち歩くのは荷物がかさばると同時に、IME(インプットメソッドエディター)の制限も気になる。また、新たにBluetoothキーボードを選択しなければならず、二の足を踏んでいた。
そこで目を付けたのがSurface RTである。搭載OSはWindows RTのため、使い慣れたIMEやテキストエディターを使用できないが、Surface RT本体は約675g、タッチカバー(Touch Cover)は約209g。併せて約884gであれば貧弱な筆者でも持ち歩けるレベルだ。
もちろん事前情報として、タッチカバーが通常のキーボードほど打鍵感を持たないため、本格的な文書入力を必要とする場合は上位オプションのタイプカバー(Type Cover)を選択しなければならないのは承知している。
冒頭の発表会で日本マイクロソフトは、日本語版タイプカバーのリリースは若干遅れると述べていたので、Surface RT本体とタッチカバーのセットを注文していたが、蓋を開けてみるとタイプカバーの国内リリースも間に合ったようだ。
また、以前のレポート記事でも触れたようにタッチカバー単体購入と、Surface RT+タッチカバーのセット購入では1,980円の差が生じるため、タッチカバーのセットモデルを選択した。
さて、今回筆者が購入したのはSurface RT 32GB(ギガバイト)+タッチカバー。発表会終了後直後にオンライン注文し、3月15日の正午に到着。
当日はSurface RTの報道関係者向けレセプションに出席していたため、直接受け取った訳ではないが、思ったよりも早く到着したものである。オンラインショップのこん包を開けると、待望のSurface RTが姿を現した。
マイクロソフトのOSとはひと味違うケースを開けると、Surface RT本体と電源アダプタ、そしてタイプカバー。この他にも簡易マニュアルが付属していたが、全体的にiPadやNexus 7と同クラスのパッケージデザインと述べていいだろう。
Surface RT最大の特徴は、そのマグネシウム合金で包まれたきょう体にある。Microsoftが開発したマグネシウム合金の「Vapor MG(ベイパーマグ)」を採用し、内部骨格や外部全体に用いているという。
背面下部にはSurface RTを立てて使用するためのキックスタンドを用意し、背面の右側にはmicroSDXCメモリカードスロットが用意されているため、Surface RT上で作成したデータを他所に持ち出す場合や、記憶容量不足を補うためのサブストレージとして活用することもできる。
筆者が感心したのは、タッチカバーや電源にマグネット式コネクタを採用している点。AppleのMacBookなどが採用しているMagSafe(マグセーフ)に類似したものだが、装着感は実に心地よい。磁石のため簡単に装着し、取り外すことができるが、タッチカバーに関しては凹凸を用意しているためか、タッチカバーを持って逆さまに軽く振る程度では外れなかった。
蛇足だがMicrosoftは、2011年3月に電源とデータの兼用コネクタとなる「Power and Data Connector」という特許を出願している。Surface RTは電源供給のみだが、今後はデータ転送にも対応するアクセサリが登場するかもしれない。
前述のように本体とタッチカバーを併せて約884gだが、筆者が使っているiPadは650グラムのため、やや重く感じる。それでも手に持った状態で持ち歩くとさほど重く感じないのは、きょう体がほどよく角張ってホールドしやすいからだろう。
さらに述べておきたいのが、USBポートを備えている点。多くのタブレット型コンピューターは、ミニUSBやマイクロUSBポートを備えており、そのつど適応するUSBケーブルを持ちいらなくてはならなかった。だが、Surface RTはフルサイズのUSBポートのため、周辺機器の接続も簡単に行えるだろう。
惜しむべきは対応USBが2.0という点だ(Surface ProはUSB 3.0をサポート)。USB 3.0の最大転送レートは5ギガビット/秒だが、さすがにそこまでの高速転送環境はタブレット型コンピューターであるSurface RTの用途にそぐわないだろう。
USB 2.0採用理由とは関係ないが、2013年早々には最大転送レートを10ギガビット/秒へ向上させたUSB 3.1の発表が業界団体のUSB 3.0 Promoter Groupから行われている。これらのことを踏まえても、USB 2.0の採用は正しいと言える。
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