パナソニックは9日、同社ノートPC「Let'snote」ユーザー向けのイベント「2013年 Let'snote ユーザーミーティング」を東京会場で開催。午前の第1部と午後の第2部の2回にわたり、Let'snote店頭モデル購入者と開発者、特別ゲストらが交流した。
「2013年 Let'snote ユーザーミーティング」は、2~3年ぶりとなるLet'snoteユーザーとの交流イベント。技術者による開発秘話や、技術者を交えたユーザー同士の意見交換が行われる。
なお、Let'snote生産ラインがある神戸工場見学会も含めた神戸会場は13日に開催する。弊誌では神戸会場編も別途レポートする予定だ。
東京会場のユーザーミーティングは、午前と午後の2回行われた。第1部ではゲストとして「今までにLet'snoteシリーズを20台程度購入している」というビジネス書作家・ライターの戸田覚氏、第2部では「アプリソムリエ」としても知られるタレントの石井寛子氏を迎え、「Let'snote」の相棒度やエピソード、次期商品への要望などを出しあった。
100名を超える応募者の中から第1部は10名、第2部は13名のユーザーが参加。Let'snoteを5台所有しているユーザーや、関西から参加したユーザー、購入したLet'snoteを分解・改造して使用しているユーザーなど、PC歴30年を超えるベテランユーザーなど"コア"なLet'snoteユーザーをはじめとして、学生や社会人なりたてといった若いユーザーも加わった。
開発者が語るLet'snoteの進化
まず、パナソニック AVCネットワークス社 ビジネスソリューション事業グループ ITプロダクツビジネスユニット テクノロジーセンター主幹技師の坂田厚志氏と、市場開発グループ 商品企画チーム レッツノート担当総括参事の井上剛志氏がLet'snoteシリーズの開発秘話を語った。
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パナソニック AVCネットワークス社 ビジネスソリューション事業グループ ITプロダクツビジネスユニット テクノロジーセンター主幹技師の坂田厚志氏(写真左)と、同じく、市場開発グループ 商品企画チーム レッツノート担当総括参事の井上剛志氏(写真右) |
Let'snoteは1996年に誕生した「CF-N1」以来、現在まで開発が進められ、進化してきた。坂田氏が「最初のターニングポイント」として挙げたのが、2002年3月に登場した「CF-R1」だ。モバイル性を重視し、軽量で長時間駆動という現在のLet'snoteの方向性を決定づけた存在ともいえる。
当時の上司から「法律を破らなければ何をしてもかまわない」という指示を受けたと坂田氏は笑いながら語り、「全てのビジネスマンにLet'snoteを」という情熱を持って、軽量で長時間駆動するLet'snoteの開発を目指したという。
PCを持ち運ぶ機会が多くなったことを受け、「今度は頑丈に」と作られたのが、同社が第2世代と呼ぶ「CF-W4」(2005年5月発売)。ユーザーから「鞄に入れていたPCにヒビが入った」などの声を受け、実際に電車内でどのような圧力がかかっているのかを測るため、計測器とPCをカバンに忍ばせた同社の社員が、山の手線のラッシュアワーに搭乗したという。
その計測器から得られたデータが100kgfという加圧だった。「100という数字に意味はなく、実際に満員電車に耐えられる数値に合わせ、ボンネット構造を改良した」という。「軽量・長時間駆動・頑丈」を手に入れたLet'snoteは、ユーザーの声により次に高性能を目指した。
第3世代「CF-S8」(2009年11月発売)では、「スペックを向上してほしい」というユーザーの意見を基に標準電圧版CPUを搭載。第4世代では「天板がくさび形だと鞄に入れにくい」「もっと薄くしてほしい」という声から、フラットボディで薄型化した「CF-SX」シリーズ、Ultrabook規格に準拠した「CF-AX2」が登場した。「CF-AX2」では、天板内側を階段状の構造にすることで0.5mm薄の天板を実現し、薄さと軽さを両立した。
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Let'snoteの進化とコンセプト。初代Let'snoteは1996年に発売した「CF-N1」。同社技術部の仲間内では、2002年の「CF-R1」以前は"紀元前"と呼ばれているという裏話も披露された |
「壊れにくい事より、普段から故障しにくい事が魅力」- 戸田覚氏
今までに20台ほどLet'snoteを購入したというビジネス書作家・ライターの戸田覚氏は、自身のLet'snote使用歴について、Let'snoteを「ポルシェ」や「ライカ」に例え、Let'snoteは一貫性を貫いたブランドと紹介した。
「最初にLet'snoteを購入した20年程前、パナソニックは"家電メーカー"というイメージだったが、今でもPCのブランドとして残っている。製品の良さ、ブランドの一貫性がないと残らない。Let'snoteは使いやすさを考えたクリックボタンも初期からずっと備え、一貫したポリシーを感じる」(戸田氏)
2007年5月に発表された「CF-W5」を現役で使用しているとし、「衝撃で壊れにくい事より、普段からハードウェア的に故障しにくい事がLet'snoteの魅力」と語った。
「CF-AX2」が初めてのLet'snote - 石井寛子氏
一方、第2部ではタレントの石井寛子氏が登場した。石井氏は「CF-AX2」で初めてLet'snoteを使い始めたという。「これまで原稿執筆などはスマートフォンで行っていたが、スマートフォンの画面は小さいのでノートPCの大きな画面で操作できるのがうれしい」と魅力を語る。
プライベートでも「CF-AX2」を活用しているようで、「『hulu』などの動画配信サイトで映画やドラマを見ている。『CF-AX2』はディスプレイは360度回転をするので、自分の見やすい角度を調節できるし、ひざのうえに乗せて楽な姿勢で動画を見ることもできる」とした。
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