就職で避けて通れないのが面接。米国の就職情報サービス、CareerBuilderが採用面接でのミスに関する年次調査を発表している。採用担当は何をマイナス評価しているのか、米国の話ではあるが参考になりそうだ。同時に発表された恒例の採用担当者が明かす珍エピソードでは、今年も笑える話や笑えない話がそろっている。
この調査は、2012年11月からの約1カ月間に、約2600人の採用担当者と約3900人の就職者に聞いたもの。
面接中になにを見ている? 5つのマイナスポイント
まずは採用担当者がこれはマイナスと思うものは何か? 多かったものを挙げているので、さっそく見てみよう。
無関心 (62%)
もっとも多く上がったのがこれだ。無関心だったりやる気がなさそうな態度がみられると、面接する側も候補者に対する興味を失う。面接中、適度なエネルギーを保つよう務めよう。それを示すのが受け答えになる。相手の質問には誠意を持って応え、やる気もアピールしたい。こちらからの質問も考え抜いたものを。もちろん、ちゃんと事前に準備しておくこと。面接中の携帯電話の利用 (60%)
面接中は、スマートフォンやタブレットは最低でもマナーモードに。電源を切っておいてもよいだろう。不適切な服装」(60%)
身だしなみにも気をつけよう。就活用のスーツを用意していることと思うが、就活中は毎日のようにお世話になる。襟や袖の汚れはどうだろうか? 前もってチェックして、当日の朝になって慌てることがないように。前職について悪く言う (58%)
上位3つは比較的"当たり前"だったが、面接慣れしていると思っている転職者の方々、ここは注意が必要だ。前職や前の会社の上司について否定的なコメントをする人は、「こいつは要注意人物では」と疑われるのがオチだ。どんなに自分が正しいと思っていても、前職の話をするときは、そこで学んだこと、それがいかに志望企業にとって役に立つ、あるいは関連するかをアピールすることに終始すべし。具体例がない (34%)
これも受け答えに関してぜひとも知っておきたいポイントだ。学生時代のボランティア活動、前職でどのようにプロジェクトに貢献したかなどを話すとき、具体例を入れれば話は現実味を増すし、相手もイメージを描きやすい。明確でわかりやすい話し方ができることをアピールするチャンスだ。曖昧な表現をだらだら続けるよりも、具体例を入れて短く話す方が印象はよいだろう。
このほか、「視線をそらす」(72%)、「笑顔がない」(42%)、「姿勢が悪い」(38%)、「力がない握手」(28%)など、立ち振る舞いに関するものも挙げられている。
百戦錬磨の担当者もびっくり!なエピソード
この調査では毎回、採用担当に面接でのおもしろい(驚いた)エピソードを聞いている。今回ははどのようなエピソードが挙がったのだろうか?
まずは、信じられないような話から。「候補者のカバンから携帯電話の着信音が聞こえているのに、携帯電話は持っていないと言い張る」……携帯電話のマナーについては、上で触れた通りだ。おそらくこの人物は、職を得なかったのではないか?
米国だってビジネスの席で馴れ馴れしすぎるのはNGのようだ。「候補者が社長にハグをした」という話が挙げられている。「候補者が面接官の前にやってきて、膝の上に手を置いた」……面接官は脚線美の女性だったのだろうか? 馴れ馴れしいのレベルではないが、「面接官の前においてあったお茶菓子を全部とって、ポケットにしまった」というのも。
熱意もここまでくると……というのが、「仕事のためなら、"法に触れることでもなんでもやる"と言った」という話。逆に、前職が金融機関だったというある候補者、仕事を辞めた理由を聞くと「常時、盗みたいという衝動にかられたから」と答えたのだそうだ。
「朝早く起きるのがいやだし、読書も好きじゃない」「たくさん働かなければならないのなら、仕事につきたくない」と包み隠さず本音を言ってしまった候補者もいれば、「自分のアイディアだけを盗んで雇用されないと困る」と言って、採用担当の質問への回答を控えた候補者もいたようだ。
このほか、転職のための面接を受けたある女性は「クリスマスプレゼントをもらった後に現職を辞める」と言って、転職先でのスタート日を遅らせると申し出たなどの実話も明かされている。