グーグルは12月13日、都内でiOS向けの地図アプリ「Googleマップ」の説明会を開催した。iOSでは標準マップの提供元がグーグルからアップル自身のものとなり、アプリとしてGoogleマップが利用できなくなっていたが、今回の提供開始により、iOSでもGoogleマップがアプリで利用できるようになった。対応するのはiOS 5.1以降を搭載したiPhone 3GS/4/4S/5、iPod touchの第3世代~第5世代。iPadでも利用できるが、ネイティブ解像度は非対応だ。現在、GoogleマップアプリはApp Storeからダウンロードできる。
Googleマップは、2007年からグーグルが提供する地図サービスのアプリ版で、豊富な情報と見やすい地図を備えており、iOS向けには、標準マップのデータとして使われてきた。しかし、iOS 6の登場にあわせて、標準マップがアップル純正になり、Googleマップをアプリとして利用することはできなくなっていた。
今回、グーグルはiOS向けに初めて「Googleマップ」としてアプリを提供。データが不完全で、乗換案内に非対応などと行った不満の強かった標準マップの代替として利用できるようになる。
地図データはWeb版Googleマップと同等で、ベクターデータのため、滑らかな表示が可能。機能としては、音声ガイド付きの運転経路案内、電車・バス・徒歩での経路検索、交通情報や路線図の表示、スポットや店の情報を調べられるローカル検索が可能。もちろんストリートビューもサポートしており、Googleアカウントでログインすることで、Web版などで登録したスターマークや自宅・勤務地などの情報も同期できる。
ローカル検索や経路検索では左右のスワイプで次々検索結果を切り替えられたり、画面の右側から操作パネルを表示し、衛星写真や路線図などに切り替えられたり、Web版ともAndroid版とも、以前の標準マップとも異なるUIになっている。
同社のGoogleマップ製品開発担当部長の牧田信弘氏は、「ユーザーからのフィードバックを重要視している」と強調。「毎日何千件寄せられる」(牧田氏)というフィードバックを、より簡単に送ってもらえるように、Googleマップアプリ利用中に本体をシェイクすると、フィードバック送信画面に移行するようになっている。店舗の閉店、UIの改善などの情報を提供したい場合に、この画面からすぐに送信できるようにした。
牧田氏は、「シンプルなUI、マップの正確さ、使いやすさ、精度の高さ、ローカル検索の使いやすさ」をアピール。現状では、インドアマップ、マイマップと行った一部の機能が非対応で、今後はUIを含めて順次改善を進めていきたい考えだ。
グーグルでは同時にSDKを提供。アプリ開発者がこれを利用することで、自アプリの埋め込みマップにGoogleマップのデータを利用できるようになる。現在、標準マップがアップル製に変わり、サードパーティのアプリのマップデータも標準マップと同じものになっているが、SDKを利用すれば、これをGoogleマップにできる。また、GoogleマップへリンクしているURLなどにアクセスした場合は、Googleマップアプリが起動するようになっているが、標準マップを置き換えることはできないという。