ネットギアが新たに提供を開始した「ReadyDATA」は、エンタープライズ用途にも利用できるコストパフォーマンスに優れたストレージ製品である(詳細はこちらの記事を参照)。もっとも「エンタープライズ用途」と紹介すると、運用管理が難しいという印象を受けるかもしれない。しかし、ReadyDATAは、設定や管理で複雑なことはなく、"ネットギアらしい"製品として開発されている。

今回は、それを実証すべく、ReadyDATAの導入作業を実際に行いながら、基本的な設定を紹介していこう。

ReadyDATAの初期設定の手順

ReadyDATAはNASとしてだけではなく、iSCSIによるIP-SANとして利用することもできる。ただ、ReadyDATAがターゲットとするSMB(Small and Medium Business)環境ではNASとしての利用が一般的だろう。ReadyDATAをNASとして利用するための設定手順は次の通りだ。

  1. ディスクの挿入
  2. ネットワーク接続
  3. ホスト名、時刻の設定
  4. IPアドレスの設定
  5. ユーザの作成
  6. ボリュームの設定
  7. 共有の作成

ReadyDATAの設定はWebブラウザをインタフェースとしたGUIでわかりやすく直感的だ。以降で、これらの設定手順を実際の管理画面などを交えながら見ていこう。

なお、IP-SANとして利用するためには「7.共有の作成」の代わりに「LUNの作成」を行う。そして、iSCSIターゲット/イニシエータの設定をするだけだ。NASとして利用する場合もIP-SANとして利用する場合も基本的な手順に大きな違いはない。IP-SANとしての設定は、改めて別の記事で紹介する予定だ。

ディスクの挿入

ReadyDATAを利用するためには、まず筐体のベイにディスクを挿入しなければいけない。ディスクの挿入は、ツールフリーで簡単。また、ホットスワップにも対応しているので、ディスクを交換する際にReadyDATAをシャットダウンする必要はない。

図1 ディスクの挿入

なお、ReadyDATAで利用できるディスクは、他のネットギア製品とは異なり、ネットギアが販売しているディスクのみとなっているので注意して欲しい。

ネットワーク接続

次にReadyDATAをLANに接続しなければいけない。ReadyDATAには、ネットワークインタフェースとして10ギガビットイーサネット×2と1ギガビットイーサネット×2が搭載されている。

図2 ReadyDATAのネットワークインタフェース

10ギガビットイーサネットのインタフェースを利用するには、オプションのダイレクトアタッチケーブルまたはSFP+モジュールと光ファイバケーブルが必要だ。1ギガビットイーサネットのインタフェースは1000BASE-Tなのでカテゴリ5e以上のUTPケーブルで接続する。

ReadyDATAの設定はWebブラウザ(https接続)で行う。デフォルトでReadyDATAはDHCPクライアントとなっており、Webブラウザに「https://<ReadyDATAのIPアドレス>」のURLを入力すれば管理画面へとログインできる。

では、ReadyDATAのIPアドレスを知るのはどうすればよいのか。DHCPサーバで調べるという手もあるが、ネットギアでは「RAIDar」というツールを用意している。これを使えば、ReadyDATA/ReadyNASといったネットギア製NASのIPアドレスが簡単にわかる。ネットギアのWebサイトから無料でインストールできるので、事前に用意しておくとよいだろう。

※ ログインする際に証明書の有効期間に関する警告が表示されるが、初期設定をする際にはそのまま続行して問題ない。社内でプライベートCAを運用している場合は、必要に応じてReadyDATA用の証明書を発行してインストールする。

※ デフォルトのログインのID/PWはマニュアルに記載されている。

図3 RAIDarでReadyDATAのIPアドレスを検出

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