つけ麺33(750円)。17時からは、太麺か極太麺か選ぶことができる

グルメサイトで検索すると、いまやどの街においても多くの「つけ麺」店がヒットします。ところで、つけ麺は並盛・大盛などのサイズを問わず同一料金で提供している店が多いですが、なぜ一律なのか考えたことはありますか? ハイクオリティなつけ麺店が数多く軒を連ねる、神保町・水道橋エリアで人気のつけ麺店3店舗に理由を尋ねてみました。

「お客さんみんなに、食べたい量を食べてほしい」

まず調査に協力してくれたのは、えび油のコクが効いた、どろっとしたスープが特徴的なつけ麺「つけ麺33」(750円)で知られる、麺屋33(千代田区神田神保町1-44)。

ポタージュをつくる製法で、約10種類の野菜を高濃度に凝縮。そのうまみが、豚骨、鶏ガラ、そしてえび油と絶妙に絡み合った逸品を提供する名店です。これを目当てに来店する女性客も多いほど。

気になる疑問について、さっそくインタビューしたところ、「定食屋だと、ご飯大盛り無料っていう店は多いですよね? それと同じで、サービスの一環です。お客さんにとっても、自分が食べたい量だけ食べられるってうれしいことですよね」とのこと。

たしかに、たくさん食べる男性だと、料金が変わらずにグラム数が増えるというのはうれしいかも!

実際、男性客の9割が、並盛(200g)ではなく中盛(300g)を注文するのだとか。そして意外にも、女性でも中盛をオーダーする人は多いというから驚き。

しかし、白醤油と昆布だしで味付けした「昆布玉子」や、フワッとした食感がうれしい「つくね」といった具材が食欲をかきたて、ぺろりと平らげてしまうことができるのは大いに納得!

浮世絵風の看板が目印

店員さんの動きもみられるカウンター席がオススメ

「自分が客だったら、いっぱい食べられたらうれしいので(笑)」

そして次に向かったのは、生姜好きにはたまらない「生姜つけめん」(750円)が楽しめる、麺処美空(千代田区猿楽町1-3-6)。麺に添えられたたっぷりの生姜を、徐々にスープに溶かしながら味の変化を楽しめるお店です。

M生姜つけ麺(750円) ※生姜なしのスタンダードなつけ麺は700円

こちらのお店でも同様の質問を投げかけたところ、「自分が客だったら、同じ値段でたくさん食べたいと思うので(笑)」とはにかんだ笑顔の店長さん。「うちに来てくれるお客さんにも、食べたい量を食べておなかいっぱいで帰ってほしいんです」。

大盛ばかり注文が入るとお店として損はないのですか? と意地悪な質問をぶつけてみても、「どのサイズの注文でもうれしいです。お店がにぎわっていると、外から店内をみた人も、気軽に入ってこられますしね」と楽しそうにしゃべる様子がとっても印象的でした。

提灯でも「生姜」をアピール

客席待ちの椅子が用意されるほどの人気店

「終電を逃したら、うちで朝までゆっくりしていってください」

ふむふむ……2軒の調査で、ほぼ答えが出てるような気がしつつも、続く3軒目・つけ麺屋ごんろく(文京区本郷1-4-4)にGO!

味玉つけ麺(820円) ※味玉なしのスタンダードなつけ麺は720円

新鮮な刻み玉ねぎは好きなだけトッピングできるのもうれしい

ここは、豚骨と魚介のダブルスープに、チャーシューやねぎを贅沢に落とし込んだつけ麺(720円)や味玉つけ麺(820円)を、午前11時から翌朝4時まで提供してくれるお店です。

では、さっそく訊いていきますよ!

「お客さんにつけ麺をもっともっと楽しんでほしいので、どのサイズでも同じ料金で食べられるように設定しています。うちのお店は、東京ドームや遊園地が近くにあることもあって海外からの観光客も多いので、英語メニューを用意するなどのサービスも行っています。閉店時間が朝4時と遅いのも、場所柄ですね。終電を逃したお客さんに、朝まで時間をつぶしてもらえるよう、ビールやおつまみなどのメニューも多くそろえています」

うむむ……。なんというホスピタリティ!

木をあしらったモダンな外観

3店舗の取材を終えてみて、つけ麺、そしてつけ麺店の魅力とは、味のおいしさのみならず、お客さんに楽しんでもらいたいという精神にまであらわれているものだと確信!おいしいランチをおなかいっぱい食べて、幸せな気持ちで午後の業務をスタートしたい!そんな気分の日は、ぜひあなたも、お気に入りのつけ麺店へ足を運んでみてはいかが?

■information

麺屋33
http://www.menya33.com/

麺処美空
http://twitter.com/#!/Vi_QoV

つけ麺屋ごんろく
http://tsukemen-gonroku.com/