興味深いのは、新設された<アプリの履歴>タブ。文字どおりアプリケーションの仕様履歴を用いて、どのタスクがコンピューターに負荷を与えているか確認するというものです。ただし、対象となるのはMetroアプリケーションに限られ、従来のデスクトップアプリケーションは含まれません。例えば標準Metroアプリケーションの「天気」と同種のサードパーティー製Metroアプリケーションがあったとします。機能的に同等であれば、本タブからMetroアプリケーションの消費リソースを確認し、優劣を決めるといった場面に使えるのではないでしょうか(図11~12)。

図11 <アプリ履歴>タブでは、Metroアプリケーションの使用履歴を確認できます

図12 表示項目は、ロー部分を右クリックすると表示されるコンテキストメニューから取捨選択可能です

<スタートアップ>タブも新設されたタブの一つ。システム構成(msconfig.exe)の同名タブと同じく、スタートアップフォルダーやレジストリに登録されたスタートアッププログラムが列挙されます。ボタンやコンテキストメニューから無効にすることもできますが、ポイントは「スタートアップへの負荷」という項目。これを目安にWindows 8の起動速度を妨げるアプリケーションをあぶり出してください(図13~14)。

図13 スタートアップフォルダーやレジストリに登録されたスタートアッププログラムを列挙する<スタートアップ>タブ

図14 項目を選択しますと<無効にする>ボタンが有効になり、プログラムを一時的にスタートアップ対象から外すことができます。また、コンテキストメニューからも同様の操作が可能です

<ユーザー>タブは基本的に従来のタスクマネージャーと同じですが、表示項目として<プロセス>タブと同じハードウェアリソースの消費率が加わりました。また、表示内容を展開しますと、ユーザーレベルで起動しているタスクの一覧が現れます。ここから不要なアプリケーションを終了させることもできますが、Windows 8は複数ユーザーの同時ログオンができませんので、大きな意味を持ちません。このあたりはWindows Server 2012向けの機能なのでしょう(図15~16)。

図15 ログオン中のユーザーおよび消費リソースを示す<ユーザー>タブ

図16 表示を展開しますと、ユーザーレベルで起動しているタスクが列挙されました。コンテキストメニューからは、ダンプファイルの作成やタスクの終了も可能です

<詳細>タブは従来のタスクマネージャーにおける<プロセス>タブに相当し、詳細なメモリー情報はこちらで確認できます。また、<サービス>タブも大きな変化は加えられいませんが、コンテキストメニューから再起動を実行できるようになったは、地味ながらも便利になったと言えるでしょう(図17~18)。

図17 <詳細>タブは、従来のタスクマネージャーにおける<プロセス>タブと同等の機能が備わっています

図18 <サービス>タブも大きな変更は加わっていませんが、ここから再起動を実行できるようになりました

このようにWindows 8のタスクマネージャーは各所に改良が加わっており、全体的な利便性が向上しています。Windows 8をより詳しくコントロールしたいと望む方は、タスクマネージャーを常に起動し、状態把握や改善に役立ててください(図19~20)。

図19 <オプション>メニューから<未使用時に最小化>と<最小化時に隠す>をクリックしてチェックを入れます

図20 この状態でタスクマネージャーを最小化してみましょう。タスクバーのボタンは消えると同時に通知領域へアイコンとして収まりますので、操作の邪魔にはなりません

阿久津良和(Cactus)