富士通は6月28日、都内で「2012年夏モデルNTTドコモ向け新商品および新CM発表会」を開催し、同社がNTTドコモ向けに提供する2012年夏モデル「ARROWS X F-10D」「REGZA Phone T-02D」「F-09D ANTEPRIMA」「ARROWS Me F-11D」を紹介した。発表会では代表取締役副社長の佐相秀幸氏と執行役員常務の大谷信雄氏、執行役員の高田克美氏、NVIDIAの日本代表兼米国本社副社長のスティーブ・ファニー・ハウ氏が登壇し、挨拶や製品紹介を行った。

ARROWS X F-10Dなどドコモ向けの夏モデル4機種について解説した

それでは気になる新機種の詳細を紹介をベースにして発表された内容をリポートしよう。富士通のスマートフォン開発方針、今後の展望についても触れていく。

「ARROWS X F-10D」

「ARROWS X F-10D」は、従来の5倍のパフォーマンスをもたらす次世代モバイルプロセッサ「Tegra 3」に加え、グラフィック描画に優れた最新画像処理テクノロジー「GeForce」を搭載したハイスペックなスマートフォンだ。

ハイスペックな最高位モデル

実際にさわってみたが、操作はかなり快適だった

「Tegra 3」はNVIDIAが開発したクアッドコアCPUで、スティーブ・ファニー・ハウ氏によると、「PCに匹敵するパフォーマンスをモバイルで実現した」のだという。

NVIDIAの日本代表兼米国本社副社長のスティーブ・ファニー・ハウ氏

メインの4コアと省電力コアを使い分ける

さらにTegra 3は、これまでスマートフォンの課題だったバッテリー消費量を、従来の約60%に抑えることができたという。

秘密は5つ目のコアとして搭載された「省電力コア」だ。待受け時や文字入力など軽い処理ではこの省電力コアだけが稼働し、消費電力を抑える。一方でSNSやウェブ閲覧などでは1~3つのコアが稼働し、ハイクオリティなゲームなどの重い処理時には4つのコアすべてがフル稼働する。処理の重さに応じて効率よくコアを使い分けることで、低消費で最大のパフォーマンスを引き出すというわけだ。

「REGZA Phone T-02D」

「REGZA Phone T-02D」はXi(クロッシィ)とNOTTVに対応したREGZAブランドの一翼を担うスマートフォンだ。1.5GHzデュアルコアや1,310万画素の高画質カメラなどを搭載しており、他のレグザ機器と連携する「レグザリンク・シェア」という機能を有している。

さすがレグザ。画質はかなり良い

この機能は、たとえば、REGZAと「REGZA Phone T-02D」を接続して大画面で映像コンテンツを試聴したり、REGZAブルーレイレコーダーで録画した番組をワイヤレスで「REGZA Phone T-02D」に飛ばして試聴したり、ダビングして持ち出したりできるのだという。

テレビと接続して、テレビのリモコンで「REGZA Phone T-02D」を操作できるというのも、地味に便利な機能である。

ステージでは実演も。スマートフォンから出力したとは思えないほどの画質はさすが

発表会の質疑応答ではREGZA Phone前モデルが発売直後から不具合を連発したことに対し、「今回は改善されているのか」といった厳しい質問も飛びだした。これに高田氏は、「ソフト面の不具合があったことは事実」とした上で、「夏モデルについてはお客様からの改善要望を取り込み、より高い品質基準を設けた」と説明した。

執行役員常務の大谷信雄氏(左)と執行役員の高田克美氏

なお、「F-09D ANTEPRIMA」は荻野いづみ氏がイタリアから発信している同名のファッションブランドとコラボした女性向けの新機種であり、「ARROWS Me F-11D」は「とにかくスマホを使ってみたい」というスマホビギナー向けのコンパクトな新機種となる。

「F-09D ANTEPRIMA」。キラキラである

「ARROWS Me F-11D」は他の機種に比べるとかなりコンパクトに見える