ユーザー数1億4,000万人というTwitterには、膨大な情報が含まれている。研究者らは何とかしてこのデータから意味ある情報を導きだそうとさまざまな研究を試みているが、こと選挙については予想は難しいようだ。スペインの研究者が、選挙とTwitterの関連性に関する報告書を調べた結果、選挙結果の予想は「無理」との結論を導き出している。
この報告書を発表したのは、スペインのオビエド大学で准教授を務めるDaniel Gayo Avello氏だ。ここ2年程前からTwitterのデータを利用して世の中の動向を予測する動きがあるが、Avello氏は選挙に限定して20以上の論文や報告書を調べた。
Avello氏が「Twitterから選挙結果を予想できない」理由として挙げているのは、以下の4点だ。
選挙権を持つ人すべてがTwitterを使っているわけではない
確かに、Twitterのユーザーの年齢、性別、職業などはかなり偏りがありそうだ。「ソーシャルメディアは選挙民の標本にはなりえず、公平なサンプルではない」とAvello氏は記している。
Twitterユーザーが選挙についてツイートするとは限らない
Twitterを使っていたとしても、選挙についてツイートしない人もいるだろう。インターネット上で政治を話題にしている人はごく少数の人であり、ソーシャルメディアから政治に関する傾向を分析しようとなると、この人たちの意見に大きく左右されることになる。
Twitterでの発言は信頼できない
Twitterは匿名が原則であり、データの多くに信憑性がない。信頼できないデータは対象から外すべきだが、見分けるのも難しそうだ。
政治特有の……
政治についての会話や議論は風刺、皮肉、ユーモアが入ることが多く、言葉をそのまま受け取ることは危険だ。Twitterの発言からユーザーの政治的志向を判断するのは難しく、投票結果を推測するのはさらに難しいという。
今年は11月に米国大統領選挙が控えている。ソーシャルメディアという観点では、候補者がFacebookやTwitterをどのように活用するのかが注目されている。