渋谷を拠点に活動するクリエイターの間で人気のコワーキングスペース「co-ba(コーバ)」。2011年12月にオープンした新しい施設だが、オープンから3カ月でおよそ2,400人が利用したという注目度の高いスポットだ。5月には同施設内に利用者自身が作り上げるシェアライブラリーを設立するなど、新しい試みがさらなる話題を呼び続けている。今回はそんな注目のコワーキングスペース「co-ba」を訪れた。

渋谷で人気のコワーキングスペース「co-ba」

渋谷駅から徒歩圏内の、会員制コワーキングスペース

co-baはJR渋谷駅からJR恵比寿駅に向かう明治通りのほど近く、駅から徒歩10分足らずの場所にある。世界有数の文化発信拠点であるこのエリアにオープンすることで、さまざまなクリエイターが集い、新しい価値やプロジェクトが生み出されることが期待されているのだ。

コワーキングスペースは、利用者がフリーアドレスで使えるフリー席と固定席、会議スペースとリラックススペースから構成される。デスクや照明などのインテリアは決して派手ではないが、センスの良さを感じさせるものばかり。落ち着いた雰囲気で、集中して作業するにはちょうどよい雰囲気、といったところだ。

固定席

会議スペース

リラックススペース

利用者のカギ付きロッカー

そんな中で異彩を放っていたのは、ワーキングスペースの壁一面を覆う黒板だ。この黒板には人材の募集など、利用者による手書きのメッセージが書き込まれていた。落ち着いたインテリアとは対照的に、この空間からムーブメントが起こっているのだという躍動感が感じられる。実際にco-baの利用者が開発したWebサービス「CoffeeMeeting」が話題となるなど、同スペース発のプロジェクトが、徐々にではあるが開花しはじめているのだ。

利用者による黒板への書き込み

料金プランは、24時間フリーアドレスで利用できるプロボノプラン(1万円/月)、固定席かつ法人登記もできるスモールカンパニープラン(5万8,000円/月)など、利用頻度やワークスタイルにあわせて選べる。

ドロップイン利用も可能! オープン間もないシェアライブラリーとは

そして5月7日には、自分の本棚を他の利用者とシェアできるライブラリー「co-ba library」が、同施設のひとつ上のフロアにオープンした。

このco-ba libraryでは、co-baの利用者が自宅に置いてある本をそれぞれ持ち寄り、自分専用の本棚に並べることができる。また、利用者は自分以外の本棚を見ることで、他の利用者の専門分野や興味・関心事などを知るきっかけを持てる。「本を通じたコミュニケーション」を促進し、新たなコラボレーションを作り出すことが狙いなのだという。

シェアライブラリー「co-ba library」

co-ba libraryには3つの部屋が用意されている。一番手前は、真っ白な壁面でとても明るい印象の"魅せる"部屋。ここでは出版サイクルの早い雑誌が並ぶそうだ。そして中央は、木目調の本棚と柔らかい照明で、作業やディスカッションに集中できそうな"作る"部屋。ここには利用者が様々に持ち込んだ実務書、デザイン資料、自己啓発書などが並ぶ。そして一番奥に位置するのは、真っ黒な壁に囲まれた"考える部屋"。作業や打ち合わせで煮詰まった場合には、この部屋で心を落ち着かせることができる。

一番手前の"魅せる"部屋

中央の"作る"部屋

一番奥の"考える部屋"

co-ba library、そしてco-baを設立・運営するツクルバ社の代表取締役CCO・中村真広さんは、「このco-ba libraryを通じて、製造業とIT業のように異なる仕事に携わる人同士によるプロジェクトなど、運営する自分たちの想像を越えるコラボレーションが生まれてほしい」と語る。また、企業などの団体がかかえる課題を利用者によるワークショップ形式で解決するといった、企業と個人のコワーキング・プロジェクトも予定しているのだという。

なお、co-ba libraryは、co-baの利用者以外でも利用可能だ。2,000円で1日のみ利用することもできる。同社の代表取締役CEOである村上浩輝さんは「co-baとはまた異なるひとたちが集うコミュニティーが生まれてほしい」という。

ツクルバ社の代表取締役CEOの村上浩輝(左)、中村真広さん(代表取締役CCO)

co-ba、およびco-ba libraryでは、現在会員を募集している。詳しくはco-baのWebサイトをご確認いただきたい。