BTOパソコンで有名なマウスコンピューターが、Ultrabookの新製品を計画している。「LuvBook X」シリーズと名付けられた11.6型のUltrabookで、デザイン性の高さや、ボディ素材へのカーボンファイバの採用による堅牢・軽量化など、かなり"スペシャル"なUltrabookとして登場してくる見込みだ。今回、製品化に一歩手前の試作機を入手できたので、そのファーストインプレッションをお届けしておきたい。
かなり"スペシャル"なUltrabookだが、価格は抑え目!?
まず、本稿はLuvBook Xの試作機を用いた記事なので、製品版では仕様変更の可能性もあることをご了承いただきたい。なお、製品の仕様などがかたまった正式な発表は近日中に行われる予定で、発売時期も5月中が計画されている。現時点で予定されている仕様と価格は以下の表の通り。直販モデルの基本構成価格(BTOオプションの計画はあるが、どこまでBTOできるか、また正式発表時点で可能なBTOの範囲は現時点で判明していない)では9万円を切る89,800円からと、価格面では一般的な普及帯Ultrabookのそれである。
販売形態 | 直販モデルの基本構成 | 量販店モデル(1モデルのみ、仕様は固定) |
---|---|---|
OS | Windows 7 Home Premium SP1 64bit | |
CPU | Intel Core i5-2467M(1.60GHz/Turbo2.30GHz) | Intel Core i7-2657M(1.60GHz/Turbo2.70GHz) |
メモリ | 4GB DDR3 | |
ストレージ | 120GB SSD(Sandforce SF-2281コントローラ) | |
チップセット | Mobile Intel HM65 Express | |
グラフィックス | Intel HD Graphics 3000 | |
ディスプレイ | 11.6型光沢液晶(1,366×768ドット) | |
主なインタフェース | USB 3.0×1、USB 2.0×1、Mini DisplayPort×1、オーディオ入出力、micro SD/SDHC/SDXCカードリーダ、130万画素Webカメラ、Bluetooth 4.0、IEEE802.11a/b/g | |
主な付属品 | オプション | USBイーサネットアダプタ、mini DP→D-Sub変換アダプタ |
バッテリ駆動時間 | 5.5時間 | |
サイズ/重量 | W298×D194×H5.5~17mm/985g | |
販売価格 | 89,800円~ | 99,800円 |
価格が抑えられている一方、仕様は非常に豪華だ。まず最大の特徴は、ボディ素材へのカーボンファイバの採用である。本機Luvbook Xでは、天板と底面、それとキーボードカバーにカーボンファイバを導入しており、液晶も含めた内部コンポーネントを包み込むような実装となっている。
カーボンファイバは素材自体も比較的高価で、加工も難しいことから、本来なら製品価格に大きくはねかってきておかしくない。実際、Luvbook Xの部材の中で一番高いのはこのカーボンファイバだろう。ハイエンドのモバイルノートでは採用例が無いわけではない同素材だが、10万円を切るようなUltrabook製品で採用してきたということで、インパクトは大きい。
これによる軽量・薄型化への貢献は、Luvbook Xのサイズ/重量を見れば明らかだ。ディスプレイを閉じた状態での本体の厚みは、最薄部では5.5ミリ、最厚部でもわずか17ミリしかない。重量も985グラムと、1キロを切る。特に重量に関しては、1キロ以上の製品が一般的なUltrabookの中では際立ち、日本で開発されたUltrabookならではのポイントだろう。
超薄型モバイルで不安な堅牢性も、このカーボンファイバの採用でかなり向上していると見られる。ボディを指で押してみてもカーボンファイバ独特の反発のある強度を感じられ、「かばんの中に入れていたら、満員電車で天板がへこんだ/壊れた」といった心配はかなり軽減されるだろう。同社の開発担当者によれば、落下テストなども行っているそうで、一般的な利用環境での強度は既存Ultrabookの水準を大きく超えるものだと考えられる。