トヨタ自動車は11日、新型「カローラアクシオ」「カローラフィールダー」発表に合わせ、セントラル自動車宮城工場にてラインオフ式を開催した。この模様は東京・青海のMEGA WEB トヨタシティショウケースでも中継され、同会場で実車もお披露目された。

新型カローラ発表会の東京会場でお披露目された「カローラアクシオ」(写真手前)と「カローラフィールダー」

セダンタイプの「カローラアクシオ」、ワゴンタイプの「カローラフィールダー」の詳細は本誌既報の通り。両モデルの生産工場となるのがセントラル自動車宮城工場で、トヨタは中部、九州に次ぐ「第3の国内生産拠点」として東北を位置づけている。7月1日にはセントラル自動車と関東自動車工業、トヨタ自動車東北を統合し、新会社「トヨタ自動車東日本」が発足予定。コンパクト車の開発から生産まで一貫して行う総合車両メーカーをめざすという。

「東北の現場の底力と技術力の高さは、なくてはならないもの」

宮城工場での発表会には、トヨタ自動車代表取締役社長、豊田章男氏も出席。「新型カローラは、トヨタ最先端の技術を盛り込んだこの宮城工場で生産します。新型カローラで、日本のものづくりの底力を世界に示そう! 新型カローラで東北を、日本を元気にしよう! 東北生まれの新型カローラを、ぜひともご期待ください」と熱のこもったプレゼンを展開した。

ラインオフ式にはセントラル自動車取締役社長、葛原徹氏も登壇し、「11代目のカローラも、価値ある高品質なクルマができたと確信しています。おもな特徴として、4~9代目に搭載されていた1,300ccエンジンの復活、スマートストップの採用、新開発のCVT(無段変速機)の採用などにより、低燃費で快適な走行性能を実現しました」と説明した。

また、葛原氏は7月発足のトヨタ自動車東日本にも触れ、「新会社のねらいは、世界一の競争力を持つ、魅力あるコンパクト車をつくること。カローラはコンパクト車の代名詞であり、『カローラアクシオ』『カローラフィールダー』が東北復興の光のひとつになれるよう、がんばっていきたい」と述べた。

東北を「第3の国内生産拠点」と位置づけたことに関して、「東北の皆さんの現場の底力と技術力の高さは、トヨタが将来にわたって良いクルマをつくるために、なくてはならないものだと強く思います」と豊田氏。「5月11日は新型カローラの誕生日であるとともに、東北のものづくりが新たなスタートを切る記念すべき日。宮城生まれの新型カローラで日本中のお客様に笑顔になっていただき、宮城の元気、東北の元気につなげられるよう、心を合わせてがんばりましょう」と激励した。

豊田氏のプレゼンは東京会場でも中継された

豊田氏の席にカローラのミニチュアが

宮城の会場では、従業員による決意表明や、豊田氏、葛原氏、宮城県の村井嘉浩知事らによるテープカットなどが行われ、新型カローラのラインオフを祝った。その後の質疑応答では、豊田氏の席に置かれた模型に関して、報道陣から質問される場面もあった。

「ありがとうございます。誰にも聞かれなかったらどうしようかと思ってました(笑)」と笑みを浮かべつつ、「私が初めて自分のお金で買った、4代目カローラのミニチュアモデル(レプリカ)です。カローラ最後のFR車で、『羊の皮を被った狼』の異名を取った1600GTです」と、クルマ好きで知られる豊田氏ならではのコメントが。これを受けて、「私も最初に自分のお金で買ったのはカローラです。カローラスプリンターを昭和45年に購入しました。……余談でしたが」と葛原氏も明かし、会場を和ませた。

一方、東京会場には実車見学エリアと試乗エリアが設けられ、シルバーメタリックやスーパーホワイトII、スーパーレッドV、ブルーメタリックなどをまとった色鮮やかなモデルが並んでいた。

東京会場に展示された「カローラアクシオ」

東京会場に展示された「カローラフィールダー」