カスペルスキーは12月15日、クリスマスや年末年始に旅行に出かける人が増えることを踏まえ、スマートフォンが盗まれるのを防ぐ方法と盗まれた場合にとるべき行動を発表した。
盗難回避とデータ漏洩のための対策
スマートフォンの盗難を回避する方法としては、「常に身に着けておく」「安全な場所に保管する」「暗証番号ロックを有効にしておく」「自分のSIMカードだけが有効な設定にしておく」「セキュリティソフトを導入する」が挙げられている。
上記の方法のうち、技術的なものについて簡単に説明しよう。「暗証番号のロック」だが、Android端末の場合はスクリーンロックを、iPhoneの場合はパスワードロックを設定して有効にしておこう。ほとんどの端末は他の端末の「SIMカード」を利用できないようになっているが、SIMロックは解除することも可能だ。SIMロックを行う際はパスワードが必要なのだがデフォルトのままにしておくと、盗まれた場合に簡単に解除できてしまうので、SIMロックに対し自分のパスワードを設定しておきたい。
「セキュリティソフト」の中には、盗難対策用の機能を備えているものがあるので、導入しておくのもよいだろう。例えば、「カスペルスキーモバイルセキュリティ」では、テキストメッセージを送信すると、連絡先・写真・ファイルへのアクセスが遮断されるとともに、データ消去プロセスが開始され、個人情報がすべて消去されるという。
盗まれた時の作業を円滑にする2つの備え
万一、盗まれてしまった時の対処を円滑に進めるための備えとして、「スマートフォン用のパスポートを作成しておく」「データをバックアップしておく」が挙げられている。
「スマートフォン用のパスポート」とは、自分のスマートフォンに関する重要な情報を書き留めたものだ。必要な情報としては、「携帯電話会社の緊急連絡先」、「顧客番号」、「電話番号」、「15ケタのIMEI(端末識別番号)」、「SIMカード番号」だ。15ケタのIMEI(端末識別番号)やSIMカード番号をソラで覚えている人はほとんどいないだろう。しっかりと記録しておきたいものだ。
ちなみに、IMEI は通常、スマートフォンのパッケージまたはバッテリーを外した内側に記載されている。また、多くのスマートフォンは「*#06#」とキー入力すると表示されるという。
また、アドレス帳、メールといったデータのバックアップも行っておく必要がある。バックアップに必要なソフトは、端末に搭載されているか、メーカーから別途入手するか、端末によって提供形態は異なる。同社では、バックアップの際にUSBケーブルが必要になり手元になかったとしても購入する必要はなく、ノートPCやモバイル端末に内蔵されているBluetooth機能を利用することを勧めている。
残念ながら盗まれてしまった時の対処法
最後に、万一、スマートフォンが盗まれてしまった時にとるべき対処策を紹介しよう。まずは、「SIMカードのロック」だ。自分のスマートフォンに電話をしてつながらない場合や応答がない場合は、SIMカードをロックする手続きをとりたい。先述のパスポートがあれば、携帯電話会社に電話をして、SIMカードをロックしてもらおう。同社では、携帯電話会社にSIMカードをロックした日時を書面で送信してもらうよう依頼することを勧めている。これが、SIM カードロック後の発信が自分以外によるものではないことの証拠になるからだという。
次の作業は「警察への被害届の提出」だ。ここでも「パスポート」が役に立つ。パスポートによって、泥棒が逮捕された時に証拠となる端末のIMEIを警察に提供できる。
結果として、スマートフォンが発見されずに新たな端末を買うことになった場合、同社では今までの契約を引き継いで利用できるか、携帯電話会社に掛け合うようアドバイスしている。
PCのバックアップはとっていても、スマートフォンのバックアップまで手が回っていない人が少なくないのではないだろうか。また、スマートフォンの「パスポート」も作っている人はあまりいないだろう。いつどこで災難に遭うかわからない。なくなってしまってから窮地に陥らないためにも、事前に準備しておきたいものだ。