そろそろ年賀状作りに本腰を入れたい時期。プリンタ準備OKだろうか。ここでは、年賀状作成にとどまらず、付加的な機能が充実した日本ヒューレット・パッカードのA4インクジェット複合機「HP ENVY110」(以下、ENVY110)を取り上げよう。目玉機能を一言で表すと「スマートフォン連携」である。スマートフォンやタブレットの活用範囲を広げたいという人は大注目だ。

日本ヒューレット・パッカードの「HP ENVY110」

■主な仕様 [インク] 4色(染料C/M/Y一体型、顔料Bk) [印刷解像度] 最高4,800×1,200dpi [スキャン光学解像度] 1,200×1,200dpi [イメージセンサー] CIS [最大用紙サイズ] A4 [給紙] 前面カセット(A4普通紙 最高80枚) [自動両面印刷] 対応 [液晶モニタ] 3.45型カラーLCDタッチスクリーン [インタフェース] IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、USB 2.0、メモリカードスロット [本体サイズ/重量] W427×D336×H102mm/約7.25kg [直販(HP Directplus)価格] 29,820円(2011年12月5日時点)

高さ約10cmでリビングに置いてもスッキリなボディ

ENVY110は、同社の最上位シリーズに位置づけられる「ENVY」の名を冠したモデルだ。フラッグシップモデルというと、多くの機能を盛り込んだ結果、本体サイズが肥大した重厚な製品をイメージするかもしれないが、ENVY110はちょっと違う。高さが約10cmとコンパクトで、圧迫感がまったくない。

本体の高さが約10cmと低いため、設置したときの圧迫感がないところが大きなポイント

オフホワイトのカラーリングはどこにおいてもうるさくなく、同社の「Photosmart」や「Officejet」といった別シリーズの複合機と比べても、驚くほどスマート、かつエレガント。重量こそ7.25kgとずっしりしているが、凹凸の少ない本体は、リビングのAVラックなどにも違和感なく収まる装いだ。

見た目からは想像できないほど、装備はなかなかのものだ。コンパクトなボディには、無線LANや電源ユニット、さらには自動両面ユニットを内蔵している。本体前面の操作パネルには3.45型のタッチパネルを搭載し、コピーやスキャンなどの操作はすべてこのタッチパネルで行う。電源のオンオフも、パネルを軽く触れるだけとスマートだ。液晶パネルの角度は自由に調整でき、印刷時には液晶パネルがチルトして排紙トレイが自動でせり出してくる。

前面の操作パネルはチルトが可能。すべてタッチ操作で分かりやすい

印刷時は、排紙トレイが自動で前面に出てくる。排紙トレイの容量は最高25枚だ

一方で、シンプルなデザインを実現するためか、割り切った部分も見える。給紙トレイは排紙トレイの直下に設けられた一段のみで、フォト用紙とA4用紙など異なる用紙を一緒にセットすることはできない。給紙トレイにはA4普通紙を最大80枚までセット可能だが、他社を含めた個人向け複合機全体の中でも、給紙容量は少ない部類だ。

給紙場所は前面カセットの1系統。はがきやL判といった小さい用紙は、給紙カセットの奥まった位置にセットする

基本スペックは、インクが顔料系の黒インクと3色一体型カラー(シアン/マゼンタ/イエロー)の組み合わせで、ノズル数は黒が336ノズル、カラーが1,248ノズル。印刷解像度は最大4,800×1,200dpiで、印刷速度はモノクロが約7枚/分、カラーが4.5枚/分だ。印刷速度は同社の複合機の中で最も遅いし、また一体型カートリッジを採用しているのもラインアップの中で本機のみである。現行プリンタの主流である独立型カートリッジを採用せず、また印刷速度が本機ではあまり重視されていないように感じるは、デザインを優先させた結果だろう。スキャナ部分はCISイメージセンサーで、解像度は1,200×1,200dpiとなる。

インクカートリッジは2本。顔料ブラックと、染料3色(シアン/マゼンタ/イエロー)一体型の2本だ

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