The GNU Image Manipulation Program

アプリケーションなどのスクリーンショット加工をおこなう際によく用いられる編集のひとつに、操作説明をわかりやすくするために矢印を追加するというものがある。加えて透過グレーのレイヤを追加するなどして選択対象を目立つようにさせると、さらに効果的になる。

OSSの画像編集アプリケーションとしてはGIMPが代表的。しかしGIMPは矢印を簡単にレンダリングする機能を提供していない。矢印などベクターデータとして提供されることが多いデータをレンダリングする場合、Inkscapeなどほかのアプリケーションを併用することになる。しかし、スクリーンショットを加工するのにGIMPとInkscapeの両方を使うというのは、少々面倒だ。

加工前のスクリーンショットの例

選択部分を強調したいために、レイヤを貼りつけて透過グレーをかぶせたうえ、矢印を追加して場所を強調させた例

GIMPはScript-Fuと呼ばれるエクステンション機能を使ってユーザが機能を拡張できるようになっている。この機能を活用するとGIMPでも矢印のレンダリングを簡単に実現できる。そうした場合に使えるエクステンションがMake Tech EasierにおいてHow to Draw Arrows in GimpMake Tech Easierとして紹介されている。

紹介されているエクステンションはDraw arrow。スクリプト「arrow.scm」をダウンロードしてきて、スクリプトフォルダにコピーする。UbuntuやFreeBSDならホームディレクトリ以下の~/.gimp-2.6/scripts/などが該当する。ここにスクリプトをコピーしておくと、ツールメニューに「矢印」というメニューが表示されるようになる。

パスツールを選択。ツールボックスから選択するか、Bキーを押して機能を有効化

ツールメニューから「矢印」を選択すると起動してくる設定ダイアログ。このダイアログで描画する矢印を変更できる

描画した矢印の例その1

描画した矢印の例その2

矢印をレンダリングするには、まずルーツボックスからパスツールを選択して線を引く。パスツールはBキーでも有効化できる。線の書き出しが矢先に対応し、線の終わりが矢尻になる。線を引いたらその状態のままツールメニューから「矢印」メニューを選択。ダイアログが起動してくるので、内容を調整して「OK」ボタンを押す。結果、パスツールで引いた線の終わりから開始点に向かって線がレンダリングされる。

矢印の太さは"Percentage size of notch of arrow head"で変更可能。矢先の長さは"Length of wings"、角度は"Angle between arrow and wing in degree"で設定できる。ほかにも各種調整が可能。矢先の種類を増やしたり、任意のカーブを描いた矢先をレンダリングしたい場合には、別のエクステンションを使うか、Inkscapeなどベクター画像編集アプリケーションを使った方がいい。簡単な矢印を追加する程度であればDraw arrowが便利に利用できる。