【レポート】
国内市場でDeNAと熾烈な競争を繰り広げるグリーは、「2000万人を魅了するソーシャルゲームの作り方」と題するセッションで、スピーカーの吉田大成ソーシャルアプリケーション統括部長と富田洋輔ディレクターが、グリーにおけるソーシャルゲーム開発体制を披露した。冒頭で、GREEの会員数が国内の競合サービスでトップであることも強調し、ソーシャルゲーム開発に自信をのぞかせる。
こうしたGREEのサービスを支えているのが現場主義によるプロジェクトマネージャへの権限移譲であると語る。当然、責任も大きく成果を出さなければならない。個々のコンテンツは少数精鋭で開発が進められ、不要なドキュメントの作成といったコミュニケーションコストを避ける体制であるという。
意思決定は個人の感性よりもデータを重視する組織のようだ。従来のコンシューマゲームでは、ユーザーがどのように、どのくらい遊んでいるのかという詳細なデータを得ることは難しかった。一方、ソーシャルゲームでは必ず通信が発生するため、通信ログから詳細なデータを得られる。社内で使われているデータマイニングツールによって、ログイン率や課金率などのユーザー利用状況を視覚化し、これらが業績評価につながっている。
少数精鋭による素早い意思決定や変化への対応が可能な現場と、大企業のような徹底したデータ主義がグリーの強みなのかもしれない。やや気になるのは、こうした組織が新しい製品を生み出せるかどうかだ。データにこだわりすぎてはモデルのない分野への挑戦が難しくなる。現に、ソーシャルゲームはどれも同じような農耕、釣り、ミニゲームばかりだという批判をよく耳にする。次世代の新しいソーシャルゲームを提案できるかどうかが、今後の課題となりそうだ。
スマートフォンや世界への進出を目論んでいるのはDeNAだけではない。グリーもまたiPhoneを皮切りにスマートフォンやPCへの対応を進めるという。2011年にはアジアと北米に拠点を置き、本格的な海外進出も目指す。
国内市場の衰退が現実となった今、改めて多くの企業が海外進出を意識していると感じた。しかし、そこにあるのは単純な言語の壁だけではない。競争の激しい世界市場の中で、日本のゲームがどれだけ存在感を出せるのだろうか。今後の展開が楽しみである。
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