東京 表参道に開かれていたアドビの期間限定ギャラリー「station 5」にて、「Flash CS5 meets LightWave 3D」が開催された。イベントには、クリエイター 城戸雅行氏と佐分利仁氏が登場した。

「LightWave 3D」で作った3Dデータを素材として使う

メタルレッド 佐分利仁氏

イベント前半に登場した城戸雅行氏に続いて、クリエイター 佐分利仁氏(メタルレッド 代表取締役/クリエイティブディレクター)が登場。佐分利氏は約10年前から「LightWave 3D」を使用しているという。佐分利氏は「『Ver6~7』あたりから機能が揃ってきて、やっと使えるように感じてきた」とLightWave 3Dについて語った。佐分利氏は、3Dデータを二次元化してFlashに取り込む手法について解説した。

佐分利氏は「20年くらい前から使われている手法」として、3Dで作成したCGを2Dのグラフィックとして書き出し、それをFlashにグラフィックデータとして取り込むというデモを紹介した。この手法の利点として佐分利氏は、「3Dデータではないので軽く動作する」、「キャラクターに手描きとは違った生々しさが出てくる」という2点を挙げた。佐分利氏がまず最初に会場のスクリーンに映し出したのは、Flashで組まれたアクションゲームのパイロット版。キャラクターやゲーム中に登場するオブジェクトはすべて四角形の物体で、まだα版といったところ。このゲームを完成させるため、四角い物体にLightWave 3Dで作ったヒヨコのキャラクターなどを割り当てていく。するとヒヨコのキャラクターが歩いたりジャンプして移動する、キュートなアクションゲームが完成した。

これと同じ手法で作られた犬のアクションパズルゲームも紹介された。犬の毛にはLightWave 3Dの有名なプラグイン「サスカッチ」が使われている。高画質でレンダリングをしておくと、ゲーム内のメニュー画面などで表示されるキービジュアルとしても利用可能。佐分利氏は「ちょっとしたパーツに3DCGを使うと高級感がアップすると思う」とコメントした。

Flashで作られたアクションゲームのパイロット版。この状態でもゲームとして動く

先ほどのゲームに佐分利氏が描いた2Dのグラフィックを当てたところ。これはこれで味がある

LightWave 3Dで作成したグラフィックを当てた完成版。ヒヨコの動きが活き活きしている

キャラクターが3Dで作られているため、キービジュアルとしても使える

『ココホレワンワン』というアクションゲーム。犬のキャラクターが3DCG

ゲーム内の犬のキャラクターは、前述したヒヨコと同じ手法で作られている

ヒヨコと犬のデータをLightWave 3Dで開いたところ

佐分利氏は「F1」のレースゲームも紹介した。F1の本体は「Illustrator」でアウトラインだけ作成し、それをLightWave 3Dで取り込んで立体化。佐分利氏が「手描きは面倒だけど、Light Wave 3Dなら比較的簡単」と解説したのが、風に揺れるチェッカーフラッグ。佐分利氏は「3Dツールは高級なものも多いが、LightWave 3Dは価格破壊とも言えるほど安い。それにプラグインも入手しやすいので、初心者にもお勧めできる」と語った。

Flashで作られたF1のレースゲーム

F1マシンはLightWave 3Dでモデリング

手描きでは表現が難しそうなチェッカーフラッグ

チェッカーフラッグはゲームのオープニング画面で使われていた

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