【インタビュー】
男子ソフトボール部が1校もない佐賀県で、ソフトボール部を結成すれば、即全国大会出場で有名になれる! そんな動機で、ソフトボールを始めた高校生たちの、ひと夏の青春を描いた映画『ソフトボーイ』が6月19日より公開される。この作品を監督したのが、映画監督 豊島圭介。ホラーやSF、お色気ドラマ、そしてスポーツ青春モノまで、様々なジャンル映画を撮りまくる豊島監督に話を訊いた。
――これまでの豊島作品と言えば、ホラー、SF、実話怪談ドキュメンタリー、奇妙なエロス、といったイメージがあったのですが、今作は高校生のスポーツ青春映画という、王道というか正統派のプログラムピクチャーです。驚きました。
豊島圭介(以下、豊島)「色々なジャンルの作品を監督したかったのですが、まさか僕もスポーツ青春モノの監督依頼が来るとは思いませんでした(笑)。お話をくださったこと自体が英断ですし、感謝しています。ただ、若い連中を使ってワイワイ映画を撮るのは得意なので、僕自身は違和感ないです」
――ギャグもたっぷりで笑えて、感動する。初挑戦のジャンルとはいえ、ついに豊島監督の代表作が完成したという印象があります。
豊島「ありがとうございます。ただ、この映画の脚本は、僕が企画に参加した時点で、すでに面白いものがあったんです。脚本は、映画定番の笑いとすかしの合間に本当の事がちゃんとあるという素晴らしいものでした。この脚本をしっかり職人的に監督することが、映画に近づくという作業だと思い取り組みました」
――この作品では、そういう意味で、やりたい事が出来たという感じなのでしょうか?
豊島「役者はみんな若いのですが、スタッフは皆ベテランだったので、スタッフに自分のやりたい事をしっかりと伝えて信頼されないと、映画として成立しない。それが大変でしたね。でも、苦労した分、空を映した絵一枚とってみても、素晴らしいものが出来たと思います」
――豊島監督は真木よう子さんや吉高由里子さんなど、とにかく女優さんを美しく描くのが得意だと思うのですが、今回はモロに青春ど真ん中の男子を描いてます。男子を描くというのは、監督としてどうでしたか?
豊島「あれでも女性描写を増やしたくらいなんですよ(笑)。ただ、この脚本を読んだ時、豊田利晃監督の『青い春』を思い出したんですね。男の子にとって、絶対勝てない凄いライバルが身近にいる。そういう状況を堂々と描きたかったんです」
――『青い春』では、その差が生死を分けるという極限まで行ってしまいますが、この作品ではギャグを交えて、そのどうにもならない才能の差を、前向きに受け入れていくということを描いていますね。そこらへんが、物凄く今の映画なんだと感じました。
豊島「凄い田舎が舞台のお話なんですけど、田舎とか都会とか関係なく、今の高校生がこの映画を見て、何かを感じて、前向きに生きることができれば嬉しいんですけどね」
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