有限のリソースを効率良く管理する「クォータの管理」
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では、「クォータの管理」から見ていこう。ここではファイルサーバのリソースを管理し、ディスクリソースの容量不足を警告したり、ユーザーに対して容量制限を掛けたりすることができる。冒頭でも例に出したように、リソースを効率良く管理、運用するために、ここでは「容量」という観点からさまざまなチェックや制限が行えるというわけだ。
画面左のエクスプローラーから「クォータの管理」を開き、「クォータ」をクリックする。この画面では、FSRMのインストール時に指定したボリュームの状態が監視されていることがわかる。新しいクォータを指定する場合は、「操作」から「クォータの作成」をクリックする |
具体的にはフォルダやボリュームに対して、クォータ(共有ディスクの容量上限)を掛けていくのだが、これにはデフォルトで設定されているテンプレートからその方法をチョイスすることもできるし、もちろんカスタマイズして容量制限の数値や警告の度合いを設定することも可能だ。
新しいクォータを指定する場合は、画面の右枠にある「操作」から「クォータの作成」をクリックする。「クォータの作成」が起動するので、「クォータのパス」でフォルダを指定し、「クォータのプロパティ」でどのような制限を掛けるかを設定するだけだ。このとき、デフォルトのテンプレートはリストバーに格納されるので、事前によく使う制限があれば「クォータのテンプレート」に追加しておくとよいだろう。
「クォータの管理」では、この作業を繰り返すことで、きめ細かいフォルダへの利用制限が掛けられる。例えば、Aというフォルダはチーム全員の作業用フォルダなので容量の制限を緩くし、リソースが不足しそうになったら警告する。
Bというフォルダは短期間のプロジェクト用なので、小さな容量を割り当て、それ以上のリソース消費を許可しないといった制限をかけることも可能だ。
これを事前に設定しておけば、いざというときに容量が不足するといったトラブルや、特定の人物だけが大量にリソースを消費することに対して警告するといったこともできるのだ。クォータを管理することは、管理者として「容量(リソース)」を上手に活用させるための必須要件といえるだろう。
テンプレートからよく使うクォータを作成
クォータは制限、すなわち縛りをきつくすることが目的ではなく、上手にリソースを配分することが最大の目標となる。それにはサーバが利用している物理的なハードディスク容量や、日常よく使われるデータのサイズなどを考慮して、自社にもっとも適切と思われる制限を設定することが望ましい。
3回テンプレートをそのまま使うのもよいが、それだけでは設定しきれない部分も多いはずだ。その場合は、「クォータの管理」にある「クォータのテンプレート」を開き、「操作」から「クォータテンプレートの作成」から設定することができる。
「設定」の項目で、テンプレート名を入力し、「空き領域の制限」で「制限値」とその容量サイズを指定。その制限を超えた場合に許可しない「ハードクォータ」、監視用として制限値を超えることを許可する「ソフトクォータ」を指定すればよい。
これを事前に登録しておくことで、クォータの作成がスピーディーになるので、利用シーンにあったいくつかのテンプレート用意しておくとよいだろう。