ブレードサーバは多数のサーバを高密度に実装することに主眼を置いたデザインだ。ハードウェアアーキテクチャとしては現時点ではIA(PC)サーバが主流であり、ブレードサーバで稼働させるソフトウェア環境に関しては一般的なラックマウントサーバやタワー型サーバと何も違いはない。用途としても、通常のサーバと同様に考えてよいが、高密度実装ならではの注意点もある。

ブレードサーバは狭いスペースにさまざまなパーツがぎっしり並んでいる、すなわち高密度実装が最大の特徴。このモデルはハードディスクが搭載されているが、ディスクレスモデルも多い

まず、プロセッサの演算能力はさほど高くはないと考えておくほうがよいだろう。ブレードは最小限のスペースに高密度実装することを重視しており、放熱などの条件は苦しくなりがちだ。ブレードサーバ全体では多数のプロセッサが稼働することになるが、個々のブレードではせいぜい2ソケットまでで、4ソケット以上の演算能力を必要とする場合には向かないだろう。もっとも、現在のプロセッサアーキテクチャは周波数向上よりも消費電力当たりのパフォーマンスを重視するように変わってきたので、この点はブレードサーバに有利になっている。かつてのブレードサーバに比べると、相対的には性能が向上しているのは間違いない。

また、高密度実装を前提としている分、搭載するブレードが少ないと効率が下がってしまう。ブレードサーバをもっとも効率よく利用できるのは、シャシーにブレードをフルに実装した状態である。1 - 2台のサーバがあれば充分、という用途ではコスト面でもスペース面でも1Uラックマウントサーバの方が有利になる。

逆にブレードの弱みは、あまりに実装密度が高すぎる点だとも言える。シャシーにブレードをフル実装した場合、重量も発熱量も通常のラックマウントサーバを上回る。データセンターに設置する場合でも、ラック当たりの最大給電量や冷却能力の限界を越えてしまう危険があるし、床の耐加重にも制約を受けることがある。ラックにブレードサーバを1シャシー搭載するだけなら通常は問題にならないが、ラックに複数のシャシーを詰めるとなると、対応できない場合も珍しくなくなる。新しいデータセンターであればブレードサーバの利用を想定して余裕を持たせた設備を用意していることも増えてきたが、導入前に設置場所の条件についてもよく調べておく必要がある。