これまでフォーマット作成機能を比較した前編、文字設定機能を比較した中編と2回に渡り「InDesign」と「QuarkXPress」の機能を比較してきた。最終回となる後編では、画像や図形の編集機能について比較していく。特に画像配置は頻繁に行われる作業なだけに、その効率化機能の優劣は、ツールを選ぶときに重要なポイントのひとつとなるはずだ。また最後にこれまでの対決を振り返り、両ソフトのメリット、デメリットをまとめてみた。今後いずれかのアプリケーションを選ぶ際の参考にして欲しい。
画像配置機能の比較
カタログや情報誌のレイアウトでは、写真の点数が多いので画像を配置するのにも非常に手間がかかる。デザインにより多くの時間をかけられるように、このような作業は手早く行いたいものだ。そこで今回は、両ソフトの画像配置機能を比較してみよう。
QuarkXPressはバージョン8になって、画像配置に関わるさまざまな機能が大きくレベルアップした。まず、「Finder」や「Adobe Bridge」からドラッグ&ドロップで画像を配置できるようになった。画像を取り込むボックスがない場所にドロップしても、自動的に画像ボックスが作成されるようになっている。
旧バージョンでは、画像比率を保持したまた別の画像に差し替えることができなかったが、バージョン8ではこれも改善されている。アタリ画像を実画像に差し替えるといった作業がとても楽になった。
そしてQuarkXPress独自の機能である「PSD import」。配置した「Photoshop」画像のレイヤーやアルファチャンネル、パスに、QuarkXPress上でアクセスすることができる。
Photoshop形式の画像を配置すると、「PSD import」パレットにレイヤーやアルファチャンネルが表示される。レイヤーやアルファチャンネルの表示/非表示を切り替えたり、作成されたパスでマスクしたりすることができる |
さて、今度はInDesignを見てみよう。InDesignはドラッグ&ドロップの配置にいち早く対応しており、その機能もQuarkXPressより洗練されている。たとえば、Finderなどから複数の画像を選んでドラッグすると、マウスポインタの右上にサムネールが表示され、配置する画像を選ぶことができる。写真の数が特に多いカタログなどでは重宝する機能だ。
画像の配置作業は、どちらのソフトでも素早く簡単に行えるが、画像点数が多い媒体のデザインを頻繁に行うのであれば、圧倒的にInDesignがおすすめ。まとめてドラッグして、配置画像を選べるのはとても便利だ。