3月13日、日本事務器は、医療施設関係者向けのセミナー「赤字病院経営からの脱却」を開催した。

日本能率協会コンサルティングの萩原正英氏と田村健二氏は、「社会環境の変化が病院経営に及ぼすインパクト 赤字経営脱却のための実務的改革視点」と題して、病院が赤字脱却のためにどうすべきなのか、実務的な改革視点を短期的成果獲得と長期的基盤づくりの両面から解説した。

日本能率協会コンサルティング 経営戦略事業部マネージャー シニア・コンサルタント 萩原正英氏

萩原氏は多くの医療法人に関わってきた経験から、医療法人に対して「さまよう、振り回される病院経営という印象がある」と語る。制度改革が行われるたびに新制度対応に追われ、対応することを軸とした経営に陥りがちだという。「もちろん、振り回されていない、軸のブレない経営を行っている医療法人も多くある。それが実践できている医療法人は共通して、将来的に目指すべきビジョンをしっかりと固め、そこに一直線に進んでいる。外部の目で見ていると、そうした医療法人の後追いをするように制度ができている印象がある」と萩原氏は語った。

さらに医療法人の目指す方向性について「縦割りから横割りへの発想転換が必要。取り組みは進められているが、各部門ごとに思い描く理想像は違うことが多い。目指すべき姿を共有すること、その目標を達成するための原資を得るために収支適正化を行うべき」と指摘した。