【レポート】

Xilinx、Virtex-6とSpartan-6を発表 - 11.2Gbpsトランシーバを搭載

1 次世代FPGAが登場

    大原雄介  [2009/02/03]

    Photo00:今やザイリンクス(日本法人)の顔となった社長のSam Rogan氏

    米Xilinxは2月2日(現地時間)、次世代のFPGAとして「Virtex-6」と「Spartan-6」を発表した。これに先立つ1月29日、同社の日本法人であるザイリンクスは都内で記者発表会を開催し、同社社長のSam Rogan氏(Photo00)に加え、本社CEOであるMoshe Gavrielov氏なども来日して、同社の戦略と新製品の詳細を発表した。まずはこの発表会の中身についてレポートしたい。

    「よりProgrammable」な時代へ

    まず挨拶に立ったSam Rogan氏は「変革への挑戦」として、現在の製品開発の現場ではASIC→FPGAの流れが適しつつある事を強調した(Photo01)のち、Gavrielov氏(Photo02)にバトンタッチした。

    Photo01:この辺りの話は、Second Opinionで連載中のSam Rogan氏インタビューとほぼ同じ内容。先端プロセスを使うほど、ASIC開発コストや開発期間がかかるようになっており、また少量多品種とそぐわなくなってきている。またエンジニア自体も減りつつあるので、より高い生産性が必要であり、ASICからFPGAに乗り換えることでこれを解決しよう、という主張

    Photo02:昨年1月7日に社長兼CEOに就任したMoshe Gavrielov氏。前職はCadence Design Systemsの副社長だった。昨年8月に来日された際のインタビューはこちら。

    「今年はXilinx創立25周年目にあたり、また重要な製品を発表する事にもなり、個人的にはCEOに就任後、満1年となる」と始まったGavrielov氏のスピーチは、改めてXilinxのポジションを説明するものであった。

    まずマーケットトレンドを見ると、製品のライフサイクルが短縮され、結果としてよりTime To Market(TTM)の短縮が求められる様になっており、かつ少量多品種が求められるとする(Photo03)。こうした中で、半導体ベンダはどう対応を迫られるかという話になる。自社でFabを持つ大手ベンダの場合でも、製品の統廃合やFab lite/Fablessへの移行を余儀なくされるところが大半である(Photo04)。

    Photo03:この話は良く引き合いに出される。問題は、これに対する解決案というものが当然ながらメーカーごとにまちまちな事だろう

    Photo04:Fabliteは、例えばFreescaleとかToshiba/SCEIなどが上げられるし、FablessはATIやTI、LSIなどが当てはまる。実のところファウンドリ事業を行わずに先端的な自社Fabを所有できているのはIntelだけだし、そのIntelですらFabの稼働率が下がり気味になっているわけで、この方向性が難しいことは業界で一致する見解ではある

    ではASSPに代表されるファウンドリビジネスは? というと、これも難しい(Photo05)。1つにはプロセスの微細化が進むと、開発費が急激に高騰するためで、この結果量産効果がかなり見込めるマーケットでないとペイしなくなってきている。では、いわゆるFablessのStartup Companyは? というと、特に昨年の金融危機以来ベンチャーキャピタルからの資金供給が途絶えた状況になっており、新規に立ち上げるのがほとんど不可能な状況になっている(Photo06)。だからといって、「では新規の製品を作るのはやめよう」とか「既存のチップだけでなんとか賄おう」という訳にもいかないのが現状である。

    Photo05:マスクコスト1つを見ても、180nmだと1,000万円かそこらで済むのに、45nm世代だと9億円に達する。また設計コストも同じように高騰していることに注意

    Photo06:勿論これは経済状態が関係するから、数年後にはまた状況が改善する可能性は残されている

    このあたりを、市場サイズで見直してみたのがPhoto08である。出荷量が十分に見込める領域では、ASICあるいはASSPが経済的である。ただし先のPhoto05ではないが、プロセス微細化に伴って、必要とされる市場サイズを大きめに取らないとペイしなくなっており、この結果ASIC/ASSPが普通に使えるセグメントはだんだん減ってきている。

    Photo07:端的に言えば「ハードウェアレベルの差別化は諦めて、ソフトウェアで差別化しよう」というのがIntelを初めとする汎用CPUメーカーの言い分である。この辺りは、翌日インタビューする機会があったのでちょっと振ってみた

    Photo08:ただ、現状でどこまでASIC/ASSPが先端プロセスを使っているか? とかDigital Circuitについては確かにそうだが、Analog/Mixed-Signalはどうなる? とか色々突っ込む余地はある。ということで、このあたりも突っ込んでみた

    ただ、だからといってFPGAがそうしたマーケットを直ぐに取る訳にはいかなかった。それはコストや性能、消費電力など様々な要因によるものであるが、今回の新製品は技術の進歩により、FPGAがカバーできる領域をより広げる事に成功した(Photo09)というのがGavrielov氏の主張である。具体的には、Virtex-6とSpartan-6によりこれが可能になるという話だ(Photo10)。

    Photo09:とはいえ、長期的に見ればProgrammableな環境に移行する事が必須なのは間違いない

    Photo10:後の質疑応答で「VirtexはともかくSpartanは3から6にジャンプしているが、4と5は?」という質問が出てきたが、これは数字をあわせて判りやすくしただけで他意はないとの事

    Virtex-6/Spartan-6にあわせて、Xilinxは新たにTarget Design Platformを導入し(Photo11)、これまでよりも迅速に開発可能な環境を整備し、提供する事を予定しており、これがPhoto10の「開発期間を50%短縮」に繋がる形だ。今回の製品は、先にPhoto08で「どちらのサポートも十分でない領域」をターゲットとしており(Photo12)、これによってより多くのDesignをASIC/ASSPから奪おう、という目論みである。

    Photo11:「基本プラットフォーム」「ドメイン特化」「市場特化」までは基本的にXilinxやサードパーティなどからIPやソリューションが提供されるので、クライアントはトップの「顧客固有のデザイン」だけを行えば済む、というのがここでのポイントとなる

    Photo12:FPGAがこれまで入ってこれた領域の多くは数百から1万程度だが、Virtex-6/Spartan-6の登場により、これが一気に100万規模のアプリケーションまで拡がるという

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