【レポート】
テレビやディスプレイなどの映像表示機器がハイビジョン化し、PCやゲーム機によって映し出される映像に対し、ユーザーはとてつもなく高い期待値を持つようになってきている。
こうした時勢におけるゲーム開発、コンピュータベースのアニメーションなどのCG制作おいて、昨今、課題となってきているのは素材作成に関わるコストと制作負荷の増加問題だ。ユーザーの目が肥え、ユーザーの映像表示機器も高品位化しているため、いまや、この部分にごまかしは利かなくなっている。かといって開発に使える予算は以前からそうは変わらない。
そこで、注目されてきているのは、高品位な素材群を人間の手でゼロから作るのではなく、コンピュータの力だけで作れないか。あるいはそれがダメならばコンピュータの性能で制作をアシストしてもらって開発効率を上げられないか……そんな技術を業界は求め始めてきている。いわば「コンテンツ制作の自動化」、あるいは「コンテンツ制作の算術的支援」を実現出来ないか、ということだ。
前回のレポートでも触れているが、CPUをはじめとするプロセッサはマルチコアからメニーコアへと進化していくことが確実視されており、こうしたプロセッサの性能進化はFLOPS指標にだけ限定して言えば「ムーアの法則」を超えているとも言われ始め、最近ではプロセッサメーカーの担当者はたびたび「Compute(Computing) is free now」(今や演算は無料である)というキーワードを使うようになってきている。
この莫大な演算力を、前述の「コンテンツ制作の自動化」「コンテンツ制作の算術的支援」に対して有効利用できるかもしれない注目の技術が、最近しばしば耳にすることが増えてきた「プロシージャル技術」(Procedural Techniques)ということになる。ちなみに、綴り的にはプロセデュラルだが、英語発音としてはプロシージャルの方が近い。
そして、この日本において、このプロシージャル技術をかなり早期から10年近く研究されてきたのが北陸先端科学技術大学院大学の宮田一乘教授だ。
CEDEC 2008では、プロシージャル技術研究に長きにわたって携わってきた宮田氏によるプロシージャル技術の進化経緯と最新動向を解説した講演「プロシージャル技術の動向」が行われた。本稿ではこの講演を基軸に最新のプロシージャル技術とその動向をレポートする。
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