Danny Coward氏 - Sun Microsystems Chief Architect, Client Software

次期バージョンのJavaプラットフォームであるJava SE 7は、2009年夏ごろのリリースに向けて現在仕様の策定と実装が進められている。米国サンフランシスコにおいて6日(現地時間)より開催中の2008 JavaOne Conferenceにおいて、スペックリードであるDanny Coward氏がJava SE プラットフォームの現状と今後予定されている新機能およびリリースのロードマップについて語った。

Java SE 7の登場は来年の夏

まず同氏は現行バージョンであるJava SE 6の概要に触れた上で、今後のリリースロードマップを紹介した。それによれば、Java SE 7は2009年夏ごろのリリースに向けて準備中であり、その前にJava SE 6のアップデートとしていくつかの新機能がリリースされるとのことである。

まず、64ビットアーキテクチャ向けにチューニングされたJRE 6u5pがリリースされ、秋には"Consumer JRE"が搭載されたJRE 6u10のリリースが予定されている。General Sessionで話題にのぼったJavaFX Desktop SDKもそれに合わせて公開される予定である。なお、JRE 6u10については本日(現地時間の5月6日)よりプレビュー版が公開されている。

Java SEのリリースロードマップ

Java SE 7では動的言語を強力にサポート

Java SE 7に搭載される予定の新機能については本誌でもすでに何度か取り上げており、今回も特に目新しい発表はなかったものの、いくつかの機能に対してはより踏み込んだ内容が紹介された。

まず動的言語のサポートについてだが、Java SE 7ではJVM上で動作する動的言語のためにバイトコードレベルでのサポートが追加される予定となっている。具体的にはanonymousなクラスローディングのサポートや軽量メソッドハンドリング、動的呼び出しのための新しい命令の追加などが挙げられている。

またOpenJDKプロジェクトにおいては、JVM上で動作する動的言語のためのアーキテクチャの検討およびプロトタイプの作成を目指した「The Da Vinci Machine Project」が今年2月に発足しており、その動向も注目しておく必要がある。現在はドラフト仕様とプロトタイプが公開されている。

その他、JDK7に新たにJavaScript以外のスクリプトエンジンをバンドルすることも検討されている。どの言語のエンジンが採用されるかは明らかにされていないが、JRubyやJythonなどが有力な候補となるだろう。