Webページの表示パフォーマンスの向上は、Webデベロッパやフロントエンドプログラマにとって永遠の課題だ。ページの表示が速いかどうかは、ユーザの満足度に大きく影響する。リッチなUIや機能を実現しつつも、ページの表示は軽くしたい。

そこで重要になってくるのが、ページの読み込み速度を測定して分析してくれるツールの存在だ。Webページパフォーマンス計測ツールを使うことで定量的に状況を把握し、改善策を練ることができるというわけだ。Webページパフォーマンス計測ツールはいくつかあるが、最も導入が簡単で、かつ効果の高いもののひとつがYahoo! Developer Networkを通じて提供されているYSlowだ。執筆現在での最新版は0.9.2となっている。

YSlowはFirebugを活用しつつJavaScriptで開発されたWebページパフォーマンス計測ツール。Yahoo! Exceptional Performance teamが作成した評価基準にしたがってWebページのパフォーマンスを計測してくれる。Firefox向けのエクステンションとして実装されており、Mozilla Public License version 1.1のもとでオープンソースソフトウェアとして公開されている。Firebugをベースとしているだけあって、UIは良くできている。リソース閲覧や走査もお手のものだ。

YSlowの主要開発者であるSteve Souders氏は、2008年からGoogleで仕事をしているようなので、今後のリリースはYahoo! Developer NetworkではなくGoogleから公開されるかもしれないし、同氏からのリリースはもうないかもしれない。行く末はよくわからないが、現状で有益なツールであることには変わりない。ここでは実際にYSlowを使いながらWebサイトの高速化を実現する方法を紹介する。

RIAとしてのAjax技術については「システム開発ジャーナル」Vol.2の特集「大特集 RIA開発」にも解説が載っているので、そちらもぜひ参照されたい。