ソフトバンク・ヒューマンキャピタルが運営する転職サイト「イーキャリアプラス」では、企業の採用担当者を対象に採用に関する意識調査を実施、結果を公表している。結果によると、採用担当者の約7割が「人員が不足している」と実感するも、「条件に合致した応募者がいない」(68.9%)ことに、求める人材と応募者とのマッチングに頭を抱えていることがわかったという。

アンケートは、採用活動に携わる企業正社員(男女1,030名)を対象にWeb上にて実施された。調査期間は2007年10月26日 - 10月27日の2日間。

調査結果によると、現在就業中の人員に関して「正当な数」であると回答した採用担当者は全体の20.9%、また「過剰」だという回答は5.9%だった。一方、73.2%が「不足している」と回答していることから、ほぼ3社に1社は人員不足を感じているという結果になる。不足している職種のトップは「営業関連」(27.7%)だった。

現状の人員過不足について

不足している職種について

今後の採用計画については、5割以上の企業が新卒、第二新卒、中途のそれぞれの採用形態において積極的に取り組む意向を示している。特に、中途採用に注力したいとする企業は全体の約7割で、「採用予定はない」(6.2%)という消極性は新卒(17.2%)や第二新卒(17.6%)と比較し極めて低いことがわかる。

しかし、中途入社希望者を募集しても「条件に合致した応募者がなかなか表れない」(68.9%)や「応募の数自体が少ない」(39.6%)「応募者の選別が厳しい」(21.8%)というきびしい現実を目の当たりにしているようだ。このほか、「採用後の離職者が多い」(18.0%)ことや採用活動に時間やコストがかかりすぎることをマイナスポイントとして指摘している。

今後の採用計画について

中途採用における課題について

転職希望者に求めるスキルは、1位「コミュニケーション能力」(61.7%)、2位「特定分野の専門的な知識・スキル」(58.1%)、4位には「特定分野での経験の深さ」(39.6%)がランクインしている。これは「(A)業界未経験だが、高い能力・スキルを持っている者(年齢: 28歳)」と「(B)業界経験者だが、能力・スキルはそれほど高くない(年齢: 28歳)」を採用基準として比較した際、前者のAが9割を超える支持を獲得したことを裏付ける結果となる。

Aが有利だとする理由には、「能力があれば訓練次第で即戦力になる」や「人間性・能力は教育に時間がかかる、または不可能だから」が挙げられた。一方、B派の採用担当者は、「経験者の方が、採用ミスが少ないため」や「能力のみで採用すると、その後の扱い方に困るから」と回答している。

転職希望者に求める能力について

採用基準においての能力と経験の重視比重について

中途採用の面接の際、プラス評価となる最大のポイントは「仕事に対する熱意が感じられる」(23.7%)かどうか。次いで「話し方がハキハキしている」(14.8%)「時間を厳守する」(10.6%)「容姿・身だしなみが良い」(10.0%)という点を重視しているようだ。このほか、「明確なキャリアプランを持っている」(7.3%)「自己分析ができている」(4.7%)という自己啓発性や、「面接官の目を見て話す」(2.0%)という人間性も採用する際の判断基準に挙げられている。

一方、「時間に遅れる」(31.7%)「容姿・身だしなみが悪い」(17.0%)という良識の範囲外とされる点がマイナス評価に繋がるという。また、「仕事に対する熱意が感じられない」(16.2%)や「転職理由が後ろ向き」(5.1%)な応募者に関してもマイナス評価としてチェックされる。

中途採用時の面接ポイント「プラス評価」

中途採用時の面接ポイント「マイナス評価」