図1: 公衆無線LANのない河原でiPod touchを使う。PHSや携帯電話の電波が入れば、そこが簡易無線LANアクセスポイントになる

この秋、Appleから「iPod touch」が発売されました。革新的なインタフェースは業界にかなり大きな衝撃を与えたことと思います。

iPod touchの最大の制限事項といえば、Safariが無線LAN経由でしか使えないことです。しかし、日本には通信回線と無線LAN機能の両方を積んだWindows Mobile搭載機(以下、WM機)があります。iPod touchの制限をWM機によって解き放ち、より多くの場所で使用できるようにするのが、筆者が開発した「ZEROProxy」というソフトウェアです(図1)。

ZEROProxyでできること - Windows Mobile機を経由したインターネットブラウズ

ZEROProxyの主要機能は、Webサイトの閲覧を中継する「HTTPプロキシサーバー」です。直接インターネットへ接続できないブラウザから指定されたページを代わりに取得します。

ZEROProxyでは、無線LAN機能で隔離されたネットワークを作成し、その中にある機器から要求されたページをPHSや携帯電話などの通信回線経由で取得します(図2)。

図2: HTTPプロキシサーバーの動作

また、W-ZERO3、Advanced/W-ZERO3[es]では起動時に無線LANの電源を入れたり、終了時に切る機能があります。

対応する機器

ZEROProxyを動作させるには、W-ZERO3やEM ONEなど、通信回線と無線LANが両方搭載されたWM機が必要です。

また接続する機器は、iPod touchの他にも、無線LANのアドホック通信が行え、プロキシの設定ができるものであれば何でも対応可能です。一般のノートPCでも利用できます。ニンテンドーDSやPSPは、ゲーム機同士以外のアドホック通信に対応しないため残念ながら使用できません。