インドが熱い。南にあるのだから当然暑いはずだが、そういう意味ではない。インドの宇宙開発がたいそう活発で熱いのである。通常の分け方でいえば、1人当たりの国民所得が700ドル(約8万5,000円)しかないのだから、「発展途上国」に分類されるインドであるが、宇宙分野においては「先進国」といっていいほどの隆盛を誇っている。ロケットはバンバン打上がっているし、衛星もどんどん作られて有効活用されているし、2008年には月衛星も打上げるし、2014年には「米国・ロシア・中国に続く世界4番目の有人宇宙船打上げ国になる」ことを狙っている。先行して有人宇宙プロジェクトを成功させた中国も相当なものであるが、インドの宇宙開発も負けていない。いったい、なぜにこうもうまくいっているのか。

インドの宇宙開発の秘密を探るには、現地に行くのが一番。ちょうど9月下旬にIACという宇宙会議があったので、インドへ行ってきた。うまい具合に、その直前に地元の大学で「キューブサットワークショップ」なるものが開かれるとのことで、それにも偶然が重なって参加することができた。この2つのイベントについてご紹介し、インドの宇宙開発の強さの秘密を探ってみたい。

ハイデラバードのシンボル「チャール・ミーナール」から見下ろす大通り