【レポート】

次世代スーパーコンピュータ・シンポジウム 2007 - ペタスケールシステムの利用に向けて

1 ノーベル化学賞受賞の野依良治理事長が挨拶

 
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2007年10月3日と4日の両日にわたって、丸の内のMy Plazaホールにおいて次世代スーパーコンピュータ・シンポジウム 2007が開催された。シンポジウムは、主催者である理化学研究所(以下:理研)の野依良治理事長の開会の辞で幕を開けた。なお、野依理事長が次世代スーパーコンピュータ開発実施本部の本部長を兼任しており、理研の総力をあげて次期スパコンの開発に取り組む姿勢を示している。

野依理事長は、従来、科学は証拠主義であり、観測や実験で示すことが出来る事実に基づいて体系を組み立ててきたが、近年では、証拠プラス予測で先を読むことが重要になっていると述べ、スパコンによるシミュレーションの重要性を強調した。また、このプロジェクトは次期スパコンシステムを作るだけでは無く、スパコンの利用技術や、スパコンを使いこなせる人材の育成も含めたプロジェクトであると述べた。

ご存知とは思うが、補足しておくと、野依良治氏は光学異性体の一方を選択的に合成する不斉合成反応の研究でノーベル化学賞を受賞された日本を代表する科学者である。

そして、この次期スパコンプロジェクトは、平成18年度から24年度にわたって総額1154億円を投じる大プロジェクトであり、国家の基幹技術と位置づけられている重要施策であるので、政府や国会議員の方々が多数、来賓として参加していたのが印象的である。また、このシンポジウムは2回目であるが、前回より参加者が増え、500人あまりの参加者で会場がほぼいっぱいになっており、関心の高まりを感じさせた。

開会の辞を述べる理研の野依良治理事長(左)と来賓として挨拶を述べる松浪健四郎文部科学副大臣(右)

次期スパコンの開発状況について、開発チームのリーダーである渡辺氏から報告があったが、設置場所が神戸のポートアイランドに決定したということと、システムは2010年度末に稼動を開始し、2011年度末に完成の工程であり、現在、富士通、日立、日本電気の3社と詳細設計を進めているという程度で、システムの内容については9月14日の「次世代スーパーコンピュータシステムの構成を決定」という発表以上の情報は述べられなかった。

次世代スパコンの設置場所。(出展:理化学研究所)

今回のシンポジウムは、「ペタスケールシステムの利用に向けて」という副題がつけらており、2011年に利用可能になる次世代スパコンをどのように利用するかという観点から、下記の6つの分科会が開催された。

  • 分科会A(サイバーサイエンス インフラストラクチャ)「CSIの将来展開 -グリッド環境におけるスーパーコンピュータの活用- 」
  • 分科会B(生命体統合シミュレーション)「実証から予測へ -ライフサイエンス未解決問題への挑戦- 」
  • 分科会C(航空宇宙、天文、原子力、地球科学)「スーパーコンピューティングの展望 -明日へのメッセージ- 」
  • 分科会D(計算物質科学)「計算物質科学の課題と次世代スーパーコンピュータ」
  • 分科会E(ナノ統合シミュレーション)「次世代ナノ統合シミュレーションソフトウェアの研究開発 -ナノ分野グランドチャレンジ研究開発- 」
  • 分科会F(産学連携)「イノベーションの創出 -『革新的シミュレーションソフトウェアの研究開発』現場から- 」

分科会A~Dは初日の午後、分科会E、Fは2日目の午前に並行して開催されるというスケジュールであったので、筆者は分科会DとEにしか参加できなかったが、予稿集と全体討議でのサマリーの発表をもとに他の分科会を含めて概要を紹介する。

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目次
(1) ノーベル化学賞受賞の野依良治理事長が挨拶
(2) 分科会における提言
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