それでは、今回のオーバークロックで使用する機材を紹介しておこう。運良くオーバークロック耐性の高いプロセッサを入手できても、組み合せるマザーボードやメモリなどの環境がボトルネックになってしまうようなら意味がない。機材選びは重要なのだ。

まずマザーボードはASUSTeKの「P5K Premium WiFi-AP Edition」を用意した。チップセットはIntel P35+ICH9Rと定番構成だが、同社の独自技術が"てんこ盛り"されたハイエンドユーザー向け製品となっている。製品の謳い文句として、信号レベルでの解析に基づき、オーバークロック動作時も安定動作が可能な設計となっているそうなので、これは頼もしい。また、8フェーズの電源回路と8層基板の採用により、従来製品を超える安定性を獲得しているという特徴もある。

ASUSTeKの「P5K Premium WiFi-AP Edition」

こちらは付属品。画像の真ん中あたりにある円形の白い物体はWi-Fiのアクセスポイントだ

ヒートパイプは純銅製。また、基盤側での冷却を考慮したStackCool 2に対応する

メモリはCorsairのメモリキット「TWIN2X2048-6400C4」で、これはDDR2-800(PC2-6400)での動作をサポートしている。DDR2-800動作時のバスクロックは400MHzであるため、今回の場合は、もしFSB1600MHz(!)で回すことができればちょうど1:1のFSB:DRAMレートが実現することになる。ほか、電源や冷却クーラーもオーバークロックの障害となりやすいので、なるべく高性能なものを選んでおきたいところだ。

主な環境を以下の表にまとめる。

CPU Core 2 Quad Q6600(G-0)
M/B P5K Premium WiFi-AP Edition
Graphics GeForce 7800 GTX
Memory Corsair TWIN2X2048-6400C4(1GB×2)
Power Abee AS Power SR-2480A "D"SPEC
OS Windows XP Professional SP2(日本語版)

比較用にはQX6850

比較用プロセッサとして、現行クアッドコアの最高峰「Core 2 Extreme QX6850」も用意した。オーバークロックしたQ6600の実力がどの程度なのかをはかる目安として、同じ環境でプロセッサのみを変更した際のパフォーマンスをあわせて計測することとする。

左がQX6850で右がQ6600。どちらもG-0コアだが、QX6850は都合により製品版ではなくてES版を使用する

コンデンサの配置なども同じ。見た目では違いはわからない

定格動作時でのQ6600との仕様比較は以下の表でご確認いただきたい。

Core 2 Extreme Q6850 Core 2 Quad Q6600
動作周波数 3.0GHz 2.4GHz
FSB 1333MHz 1066MHz
システムクロック 333MHz 266MHz
内部倍率 9倍 9倍
L2キャッシュ容量 8MB(4MB×2) 8MB(4MB×2)
コア数 4 4

見ての通り、Q6600をFSB1333MHzまでオーバークロックできれば、QX6850と同等の性能が得られると予想できる。ひとまずはQX6850に並ぶことを目標に進めるとちょうど良いだろう。果たして、266ドルのプロセッサは999ドルの壁を超えられるか……。

CPU-ZでQ6600を見てみた。ここからどこまでオーバークロックできるか

こちらはQX6850。上のQ6600と同じコア・ステッピングであることを確認して欲しい